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リキニェからバスで約6時間、プエルトモンへ到着した。
朝、村のバス停までウィニーとタタに送ってもらい、バスに揺られていると、昨日の家に来ていた牧師と村の人、そして初日に50周年の結婚式を挙げていた男性が乗って来た。
みんな私の名前を覚えていてくれて、バスの中でお互いの再会を喜び合った。終点のVilla Ricaで、それぞれ違うバスに乗り換えた。
別れ際、『村のことは好きになれましたか?』と聞かれ、『もちろんです』と答えると、『みんな、またエリコに会えるのを楽しみにしています』と旅の安全を祈ってくれた。
プエルトモンまでは、黄緑色した牧場が永遠に続く景色で雨が降っては止んだ。数十カ所のバス停の停まりながら、夕方17時にやっと到着した。
バスを降りると冷たい雨が降っていた。町を行く人達は誰一人として傘をさしていない。
ジェニーがメモしてくれたホテルまで、タクシーで向かった。ホテルのオーナーはとても親切に対応してくれた。
夕食を食べに近くのレストランへ出かけた。この旅始まって以来の一人で過ごす夜である。何も知らない町に来て、自分の気持ちを支えてくれるのは、人の温かさだけである。
XLサイズのハンバーガーを食べて、ホテルに戻り、久しぶりにお湯のシャワーを浴びた。ドライヤーも付いていて、部屋にはなぜかベッドが4つも置いてある。
温かい部屋で休んでいると、村のことを思い出した。今頃みんなそれぞれに食事をして、台所のオーブンの周りを囲んでいるのだろうか。一瞬で凍ってしまいそうな冷たい水がなんだか恋しい。
ERIKO