今朝、外から聞こえてくる激しいラテンの音楽で目が覚めた。久しぶりにぐっすり眠れて気持ち良かった。ジェニーとダニエラは教会へミサに出かけて行き、私は朝食を食べてから、気になる音楽が聞こえてくる公園を覗きに行った。公園内はたくさんの人で賑わい、仕切られた場所ごとにサッカー、エアロビクス、バレーボール、カポエイラ、柔道、サーカスなど、様々なスポーツを行っていた。これは私が滞在しているニュニョアの地区が行っているものだそうだ。空気の澄んだ日曜の朝から汗を流している人達はとても気持ち良さそうだった。

 お昼はジェニーのリクエストでそうめんを作った。実はジェニーの弟は現在大阪に住んでいて、たまに日本の食材を送って来るそうだ。中でもそうめんはとてもお気に入りらしい。まさかチリでそうめんを食べるなんて思っても見なかったが、上出来な味だった。

 チリの食事の一般的な回数は、ボリビア同様14回で、夕方の18時頃に取る食事を“オンセ”(数字の11の意)という。パンにチーズやハムを挟んで食べる簡単な食事だが、私の家族のようにオンセを取って、夕食を食べない家庭も多い。したがって、お昼ご飯が1日のうちで一番ボリュームのある食事となる。

 昼食が済んだあと、ダニエラの英語の家庭教師が家に来た。ダニエラは10才、私が英語を習い始めたのと同じくらいの年である。約3時間、文法中心の授業を彼女はお行儀よく聞いていた。その姿を見て自分が英語を習い出したときのことを思い出した。
私は
9才の時英語に出会って、英語を話すのが楽しくて仕方なかった。毎週土曜日の英会話教室が楽しみで、毎日ディズニーのテキストを開いては、ミッキーとミニーのマネをしながら読み返した。
今になって思うと、何かを始めてそれを最後までやり通すことができるのは、あきらめない理由を持っているかどうかだと思う。どんな困難が起こっても、それすら学ぶことへ変えていける、ぶれない情熱があるかどうか。
私にとって英語や語学の勉強をあきらめない理由は、美しい言葉に出会える喜び、それだけだったと思う。

 夕方は、ジェニーにオンセの食事の準備を頼まれた。パンをフライパンで焼いた時少し焦がしてしまったが、みんな気にせず食べてくれた。ジェニーは遠慮なく手伝って欲しいことやして欲しいことを言ってくれる。
心の中のことを素直に表現すると、相手には温かさと信頼が届く。私はこの家族への仲間入りを果たせたような気がした。

ERIKO