朝、暑さで目が覚めた。サンタクルスの暑さは海外で感じるようなカラっとした暑さではない。湿気が充満あってまるで日本の夏みたいだ。
随分とたまっていた洗濯物を洗濯した。お家の広いパティオで風に吹かれている服達は気持ち良さそうだった。
私がホームステイさせて頂いている家族は5人家族。お母さんのトモエさんはオキナワ移住地出身の日系人、お父さんはアルゼンチンの日系人だ。
子供はロレーナ以外に息子が2人、一人は今ドイツに留学している。
今日のお昼ご飯はお母さんがヘチマとわかめ、ネギの入った美味しいみそ汁を作ってくれた。みそ汁の味で大体どんな家族か分かるような気がするのは私だけだろうか。久しぶりに飲んだ日本の味は最幸だった。
『私の住んでいた同じアパートの人達は、自転車の駐輪場で会ってもあいさつもしてくれなかった。本当に寂しい思いをたくさんしたわ。それに比べてここはみんな暢気で楽しく生きているの。もう東京のような息が詰まりそうな町には住めないわ。私の知る日本はみんなの心が窮屈だった』
自分が来た町が彼女を悲しくさせていたのかと思うと少し悲しい気持ちになった。
サンタクルスの人達は気候も手伝ってかとても明るい。ラパスとは同じ1つの国だと信じがたいくらいだ。トモエお母さんは私のことを“エリコちゃん”と優しく呼んでくれる。
何か足りないことがないように、ご飯の味は大丈夫とか、エアコンを付けないと暑いわよとか細かいことまで聞いてきてくれる。
ERIKO