私が滞在させて貰っている家族は、お母さんのパトリシア、娘のマリア、息子のアンドレスの3人家族である。初日に空港まで迎えに来てくれたお父さんのフェルナンドは離婚し、別の家に住んでいるが良く遊びに来ると言う。



家は市内から少し離れたサンミゲルという地区にある、5LDKの広いマンションである。



両親共に建築家の家に生まれた子供達は、絵を描いたり何か創作したりするのが得意で、リビングのテーブルの上にはいつも切り紙や画用紙、ペンなどがあちらこちらに散らばっている。お母さんのパトリシアは手芸が好きで、ベッドの中で、体を埋めながら編み物などをしている姿をよく見かける。

息子のアンドレアは27才、現在就職活動中のため、ほぼ毎日私と一緒に出かけてくれる。土地勘のない私、もし彼が付き添ってくれなければほとんど身動きが取れなかっただろう。私が申し訳なさそうにすると、嫌な顔1つせず、『家の中にいても体に良くないし、僕も楽しんでるから。』と言って出かけてくれる。

娘のマリアは働き者で、自宅からミニバスで約1時間離れたある食品会社に勤めている。毎朝7時には家を出て、夜は19時頃に帰宅する。

家に帰るとすぐ、運動しにジムへ出かけるのが日課だそうだが、ここ最近は疲れが貯まっているのか、すぐにベッドへなだれ込んでいる。

彼女に将来の夢を聞いてみた。

『海外で働きたいわ。そのために今TOEFLの勉強をしてるの。この国に不満がある訳でないし、ボリビア人として生まれたことはとても誇りに思っているわ。あなたみたいに旅をして、知らないこともたくさん知ってみたい。』



マリアは21才でまだ若いのに、とてもしっかりしている。



会う時間は少ないが、寝るときはいつもおやすみのキスをしにきてくれる。



そもそもこのお家にステイ出来るようになったのは、ホンジュラスにいるサモラノ大学の教授の友達、ハビエルの紹介だった。マリアはハビエルの生徒で、以前ホンジュラスの大学へ留学していた。



この家族はみんな明るい。お母さんのパトリシアは朝からよくキッチンで踊っているし、普段も冗談ばかり言っている。



家の鍵を開けてもらう時も、ベルを鳴らすと、『合言葉は?』など言って、からかってくる。でもいざとなるとお母さんの顔に変わり、とても頼りがいがある。


最近の家族の話題は娘のマリアの恋の相手が年上過ぎるということだ。
どの家族でも起こりそうな討論を繰り広げている。



昨日はイースターで、パトリシアとフェルナンドから、子供達に配られるチョコレートの卵を貰った。



Hija!Como va todo?(娘よ、調子はどう?)



私もすっかりこの家の子供になっている。



明日からセマナ・サンタ(聖週間)が始める。私はコパカバーナ巡礼に参加する。4月にボリビアへ来た理由はこのためだ。



家族のみんなもそれぞれの場所にバケーションへ出かけるようだ。
マリアには彼の所へこっそり行けることを願う。

ERIKO