2月26日に自宅にて、ひなまつりレッスンを行いました。
ひなまつり前にブログを更新したかったのですが・・・過ぎてしまいました。
記録もかねて遅らばせながら書いておきます。
前回節分レッスンにご参加いただいた方よりご要望いただき、ひなまつりのレッスンを
行うこととなりました。
ひなまつりは私もだいすきな行事のひとつで、毎年楽しみにしています。
例年お雛様を飾って、ちらし寿司と蛤の吸物で祝う、ということしかしてこなかったので
ひなまつりについて詳しく調べてみて、新たに知ったことも多く勉強になりました。
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ここからはひなまつりに関することを書いていきます。
少し長くなりますが良ければ読んでくださいね。
上巳(じょうし)の節句
ひなまつりの正式名称。
旧暦では毎日が十二支の何にあたる日かが決まっており
「上巳」とは初めの巳の日という意味です。
のちに奇数が重なる3月3日を上巳と固定し、春を寿ぎ、無病息災を願う
厄祓い行事となっていきました。
桃の節句
旧暦三月に開花時期を迎える桃の花をしつらえるようになり桃の節句の別名も
うまれました。
桃は邪気を祓い災いをはねのけるパワーに満ちた仙木であり、長寿・不老不死の
果実として中国より伝承されてきました。
また多くの花や実をつけることから、多産・子宝に恵まれる木ともいわれています。
ひなまつり
中国と日本の行事が習合した「流し雛」の行事がひなまつりの原型といわれています。
◆流し雛・・・
米俵の蓋の部分である桟俵(さんだわら)を船にし、男女一対の紙の雛人形を
桃の小枝や菱餅と共に乗せて、「無病息災で一年間幸せに生活できますように」との
願いをこめて、川に流す風習です。
▲流し雛のミニサイズのもの。
【 中国 】
災厄や穢れを祓うため、人々は青い草(緑々しい草)を踏み、酒を酌み交わして水辺で
体を清める禊の風習がありました。
のちに水辺に座り上流から流した杯を取り詩を作る「曲水の宴遊」が催され、
桃のお酒を飲む習慣も生まれました。
【 日本 】
中国の「曲水の宴遊」が日本へ伝わり平安時代の宮中では「曲水の宴」を催していました。
また古来、草や紙で作られた人形(ひとかた)で体を撫で、形代(かたしろ)として
自分の穢れを移して海や川に流して厄を祓う風習がありました。
これらの風習が流し雛へと発展しました。
また平安時代、貴族の子女は「ひいな遊び」という紙で作られた人形をつかった
遊びをしていました。
人形(ひとかた)信仰と「雛遊び」が結びつき、のちに幼児のぬいぐるみ(おにんぎょう)と
なり、水に流すのではなく枕元においてお守りとされました。
次第にぬいぐるみに美しい衣装が着せられ今日のような立派な雛人形へとなります。
現代の雛段に飾られる雛人形の始まりは江戸時代以降。
「雛遊び」も新たに「雛祭り」と呼ばれるようになり、女児の健やかな成長を
願う行事となりました。
江戸末期には、段飾りも華やかな様式を整え、菱餅や桃の花をしつらえ
白酒で祝う女の子のお祭りとして定着しました。
菱餅
菱の実はかたい殻でおおわれ両側に鋭いトゲがあるため
菱形は魔を除けるものとされました。
菱餅の三色は、桃が魔除け、白が清浄、緑が健康をあらわします。
雛あられ
菱餅を外で食べるために砕いて煎ったのが始まりで
煎った時のはじけ具合で吉凶を占っていたそうです。
桃色、緑、黄色、白の四色の雛あられは四季をあらわし
一年間の健康と幸せを祈ります。
白酒
江戸時代ごろより雛祭りで飲まれるようになったそうです
(それまでは桃花酒を飲んでいたとのこと)
白酒は焼酎に蒸した米と米麹を混ぜて熟成させたお酒で甘酒とは別物です。
蛤
その一対以外に合う貝殻がないため女性の貞淑な心をあらわし
良縁と夫婦円満の願いを託します。
また蛤の古称は「うむぎ」といい「生喜」に通じることにより
女性の出産を祝う言葉でもあるそうです。
参考文献
『室礼おりおり』著:山本三千子/日本放送出版協会
『暮らしの室礼十二か月 季節の心をかたちにして』著:山本三千子/株式会社 淡交社
『日本の365日を愛おしむ―毎日が輝く生活暦―』著:本間美加子/東邦出版 株式会社
『日本の伝統行事』著:村上龍/株式会社 講談社
『色で巡る日本と世界』著:色彩文化研究会/監修:城一夫/株式会社 青幻舎
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これらの知識を知ることで、テーブルコーディネートをする際のアイテム選びのヒント
になります。
またおもてなしをする際の小話のひとつにもなります。
なんとなく日本の伝統行事を過ごしてきましたが、いわれや歴史などを知ることは
日本人として知っておきたい大切なことだなと思いました。
何より知らなかったことを知るのは面白いですよね。
次の記事にテーブルコーディネートのことを書きます。
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