21キロの中間地点をくぐると、一気に下り坂。

ロスしたタイムをなるべく縮めようとスピードをあげて下っていきます。



沖縄=海!!

というイメージですが、NAHAマラソンでは海がみれるコースはほんのわずかです。

ひめゆりの塔を目指して走っていると、ちらりと見える海。

「わー・・・海、ようやく見れた」

とうれしい気持ちもつかの間。

空が曇り始めてきました。

「午後の降水確率70パーセント」が頭に過ります。

なんとかゴールするまで降らないで!!

そう思いながら、イチニイチニ腕を振って足を前に出していきます。



21km以降は平坦な道が続きます。

アップがあっても前半ほどの登り坂はありません。

どちらかというと、下りが多いコース。



下がっていると突然、「ズキン!」と右肋骨に痛みが。

予期せぬ痛みに頭がパニック。

なにしたら治るの!?

と、スピードを落としても止まることのできない足。

いままで習った解剖学を頭の引き出しをあさっていくと

「呼吸が浅くなると肋骨周りがいたくなることがある」という言葉を思い出しました。

これが正解かわからないけど・・・!と、反対の手で肋骨と肋骨の間の筋肉をほぐす。

痛みがひかない気がする、これがずっと続くの?

と不安になるとポーチの中に痛みどめを入れていたことを思い出しました。

ガサガサガサガサガサガサガサガサ、とこれでもない、あれでもない!!!

とあさっているとようやく発見!!



痛みどめをひとつだして、次の給水ポイントまで所持。

私設エイドさんがすぐ見つかり、急いで給水+投薬。

「ききますよおに、ききますよおに!!」

そのエイドさんではコールドスプレーがあったので、そちらもお借りして

怠けを感じていたふくらはぎ、膝と痛くなった肋骨にもしゅーとスプレー!



おかげさまで薬がすぐ効いて「いける!」と安心。

も、つかの間、おバカなことに肋骨にスプレーしたのがお腹にジャストミートし

次にお腹がぐるぐるぐるぐるぐる~~!!

「もしやこれはOPPといやつか!?」と疑惑。

「いやいや、これは違う。違う」と言い聞かせても、なにかがあかんくなってくる予感。

もう限界!!OPPだ!!

と疑惑が確信になった30km手前。

ちょうど糸満ロータリーのあたりに仮設トイレがありチェックイン。

が、どう頑張ってもなにもでない←

無駄なタイムロスしたな~。。。

と時計を見ると、3時間超え。



あと12kmを1時間以内。

心と頭の声は「・・・・・・・・・・・」沈黙。

なんもいえね~~!!!



とにかく進まないと!

重くなった足を一歩ずつ前に進めます。



去年のNAHAマラソン以降、ブログを通じて出会った方が居ました。

その方はランナーさんではなく那覇市にお住まいでNAHAマラソン応援してくださっている方。

「今年も糸満ロータリーで紫色のカッパをきて応援しています」

と事前にコメント・メッセージを下さり、30km以降その方を探して走っていました。

「紫色のカッパ・・・どこ?どこ?」と探しても見当たらない。

お腹の痛みはすこしおさまったものの、30kmの壁を体験・・・・

整骨院の先生に散々「足首が固い」と指摘されていましたが、どこがつらいって一番は足首。

呼吸は辛くないのに足首まわりが怠い。




沿道でストレッチをしている方を見つけると、わたしも・・・とついストレッチ。

わたしの悪い癖、発見。ついつい、つられる。

「んーーーーーー」と声にならない思いで足首を伸ばしたり、近くにいる方にエアサロを借りたり。

徐々に落ちるスピード。しまいにはとぼとぼ歩いたり。

大阪マラソンでNAHOさんが「いけるやろ!」「気のせい」「そう!足、前に出して!」と応援されていたのを度々思い出しては歩くのをやめ、走ってみたり。

こたさんや、なるぽんがランナーズアップデートみてくれてる!と想像しては、見栄を張って走ってみたり。

その繰り返し。

ankoさんが言われた「足がいたいくらいではしなへん!」

かっきぃさん直伝の「アゲテイクワヨ!イケル!」

って言葉を何回も呟いては歩いて、走って、、、歩くのやめて走って。

「マラソンって一番過酷なスポーツだ!」

って言葉が浮かんだり、

「もう走りたくない?」

って自問自答したり。

30~33kmまでがメンタル的につらかったところ。



「紫のカッパ・・・どこ~・・・?」

と、もしかして過ぎてしまった?と不安になっていると

「なるぽんかい・・・?あ!!eriちゃん!!」

と出会いたかった方が声をかけてくれました。

みかんに黒糖を持っている、間違いない!!



会えた~~!!

と嬉しくなり、興奮が極まって、どのスイッチが入ったのか涙がボロボロボロボロ。

(お見苦しいところ、すみません)

安堵感ハンパなかったのかも。

用意していただいたみかんを頂いて、気合いを補充。



気合いをいれたものの、スピードがおちてくる。

情けないなあ。

とへこむ。

辛いのはわたしだけじゃなさそうで、ちらほら歩いてる方も増えてくる。

みんなしんどいのは一緒だ。

雨もぽつぽつ降ってきた。



35kmのポイントを踏むと、キロ5分じゃないとサブ4は出来ないタイム。

カーン、と心の中で白旗あげた瞬間でした。

のこり7km、普段はしってる距離と変わらないよ。

ほら頑張れ。と自分にしっかり声をかけていく。

レース後半、自分と対話することが多かったかもww



うわさで聞いていた「吉野家」ゾーン。

ことしは食べるぞ!!

とわくわくしていたものの、お腹の状態がNGを下し、横目で見るだけで見送り。

・・・たべたかったなあ。

冗談でビールを出すエイドもあり、喉が「ごくっ」といいましたが目の保養だけしてスルー。



38km雨が徐々に強くなってきた。

最後の4kmまで戻ってこれた!!

ここが最後の登り、地味に緩い坂道。

沿道の方の応援が途切れないこと、雨が降っているのに給水や差し入れをしてくだってる方に

感謝のきもちがあふれてくる。

ありがとう、ありがとう!!

ただ足がついてこない。

1歩、2歩、3歩あるいて、走って、また1歩、2歩、3歩・・・・何歩?あるいてはしって。

下をむくこともあった、けど前を見ないと。

あともう少しでゴールだ。

「なるぽんかい!がんばれ!」

沿道の方から応援を直接頂くと、落ちていたスピードがあがった気がする。いや気のせいではない。

背中をおしてもらえたように感じた。




39km

すでにガーミンは4時間を超えていた。

チャレンジ セイコウ ナラズ



40km

最後の2kmは下り。

ちんたらちんたら、歩いたり走ったり繰り返していたけど

「あと2kmは絶対歩かない!!」と

「4時間30分以内には戻る!」と決め、残ったパワーを振り絞る。


大阪マラソンで「うぉぉぉぉぉおおおお!!!」と大声を発し、坂道を駆け上がっていったなるぽんを思い出した。どこにあんな気力があったのか、と不思議になった。



「あともう少しだよ!!!」

と沿道の方からの応援も力が入っているように感じた。

あと、すこしで終わりなんだ。と安心した。

けど、どこか悲しい。

すこしだけスピードがあがる。まだパワーはあった。



「あと1km」という看板が見えた。

消えかけそうな気力という火を再度燃やしてくれた言葉。

ゴールの奥武山競技場が見えてきた。

「ラストスパアト!!!!!!」

と、脚と腕のエンジンを再起動させ、進む進む進む。



公道を右に曲がると、NAHAマラソンボランティアで色々サポートしてくれていた高校生がずらりと並んで待ってくれていた。

「あと少しです!」

「もうすぐゴールです!!!!」



陸上競技場まで戻ってこれた。

気は抜いてはいけない、最後までダッシュだ。

コースの内側を走っていると雨で泥がゆるくなっていた。

思わず足がぬかるみにはまりそうになった。

なるべく外周はしたくないのに。



4時間23分台でゴールしたい!!!!!



と目の前にあるSEIKOの時計をにらみつけ、ゴールをくぐる。

おわった!!!!

のひとことにつきた。

くるっと振り返り、一礼。

これはどうしてもやりたかった。




ガーミンを止めると、4時間23分。

サブ4.5まで来れた。



スマホを取り出すと、たくさんの応援コメントがLINEで届いていた。

大阪マラソングループ、関東女子部ではランナーズアップデートで結果を追ってくれていた。

すごくすごくうれしかった。

応援してくれていたのに、サブ4できなかったことが申し訳なく思えてきた。




とうれしかったけれど、満足感はなかった。やっぱり悔しいな。

うれしいけど、達成感という気持ちは満足できていない。



この悔しさは横浜に!!



そして来年のNAHAはファンランで楽しもう!!



と2つの決意を胸にしたのであった。