「会社の同期に借りたお金があります」


「それは何でお金を借りたんや」

 

「今年の春から秋にかけて、

  精神的にしんどくなって仕事を休職してて

  生活費が足りなかったから借りました」


「その借りた金は返済したんか」

 

「まだしてないです」

 

「いつまでに返さなあかんねん」

 

「今年の12月です」

 

「お前今4月やで 

  あと8か月やないか 

  8カ月で50万も返せるんか」


「…正直分かりません」

 

「分からん?なんで分からへんねん 

   分らへんかったらさなちゃんと

   赤ちゃんと3人での暮らしなんかできひんやろ

   お前貯金はどうしたんや、何年社会人してんねん」

 

「…すいません」


「僕ばっかが質問してしまってすいません、

   どうしても聞かへんと気が済まんくて」

 

「いえいえ全然ですよ 

   お義父さんのお気持ちは最もだと思います 

   僕からも質問良いですか?」


「はい、大丈夫です」


「僕からの質問もいくつかあるんだけれど 

  まず、なぜそれだけの借金があって

  全てを話さなかったのかな 

  僕は結婚の挨拶に君が家に来たときに

  うちの娘には奨学金という

   形は違えど借金があるが、

   それでもいいのかと聞いたね?

   君はそれにはいと返事をして

   僕が払いますとはっきり言った 

   そしてその後に君は借金などはないのか?と

   聞いたとき君ははっきりとないですと言ったが

   それはなぜ?」