りすのたわむれ
世界は広くて
人間はあふれるほどたくさんいて
だけど全部ベツモノで
同じものなど何ひとつ在りはしない
コトバ
セリフ
紡ぎ出すオト
それらが時折曖昧に
ゆるやかに激しく衝突する
それをどう受け止めるのかは
自分しだいで世界しだい
世界は広くて
溢れるほど人がいて
だけどみんな違うモノで
1を分かり合うことができなくて
たくさんいるのに
「同じ」を共有できない
個性を大事にするあまり
他人の個性を罵倒することすら厭わない
世界は広くて
人はたくさんいるのに
その心をかき集めたって
狭くて狭くて
生きにくくって。
記憶、妄想、現実
繋がらない世界
交わらない世界
それでも混同してしまう世界
誰かと共有することもできない
自分との戦いが繰り広げられる世界
ねじれて
からまって
ほどけなくなってしまった世界
記憶に身を投じる
涙 笑顔
全部が過去だと
安心して、絶望して
妄想の世界へ逃げ行く
都合のいい物語
いつしかねじれて歪んでいく
それは時に危うい感情を抱かせる魔物。
喧騒
感覚
感情
さわがしいだけの現実
それでも逃げられない現実
ねじれて
からまって
ほどけなくなった世界
現実だけがまぎれもなく
疑いようもなく突き刺さる
こわれたラジオのように
くりかえす くりかえす
誰が聞いているでもないのに
くりかえす くりかえす
ささやくように
叫ぶように
誰かに届けと
みんなに伝えと
くりかえす くりかえす
のどが嗄れるまで
声が出なくなるまで
ふと誰かがこちらを見やる
少なくとも好意には傾いていない眼差しが突き刺さる
それでもひたすらに
くりかえす
くりかえす
あなたの心に 届くように。