科学研究費が今回の事業仕分けの対象となったことはとても遺憾です。
我々のような基礎研究を行なっているものにとって、科研費は重要な研究資金源であり、
科研費が減額されると研究に支障をきたします。

また、若手研究者に対する競争的資金(学振)は、
学生が博士課程に進学するきっかけになる資金であり、
減額に伴って対象者が減ると、優秀な学生が博士課程に進む意思を失いかねません。

科学技術立国を標榜する我が国において、
自然科学研究費が増額されることはあっても、減額されるということは信じられません。
万が一、来年度予算において科学研究費が減額されるとすれば、
それはこの国の将来の発展が失われることを意味します。
そして、優秀な研究者や学生が大量に海外に流出するでしょう。

研究の世界において二位に甘んじることはありえません。
世界で一番始めに新事実を明らかにし、発表することが研究者の責務です。
誰かが発表してしまったことを発表しても全く評価されません。
二番手は、存在していないに等しいのです。
そのような考え方が存在し、それが研究に携わっている者の共通認識であるということを知ってください。
一般の考え方で科学研究予算を弄られると、研究に多大な影響が生じます。
社会全体で考えれば、その影響は計り知れません。

目先の利益に眼を奪われることなく、
将来に投資することが今この国が真に行なうべきことです。
概算要求どおりの予算が科学研究費に着くことを期待します。

 乳酸菌といえばヨーグルトを私は連想する。高校1年生の夏休みに弟の自由研究を手伝った際の実験材料がカスピ海ヨーグルトの種菌だったためである。
 以下に、カスピ海ヨーグルトの種菌で実験を行った理由を示す。当時わが家ではカスピ海ヨーグルトを手作りしていた。ある日、低脂肪乳でヨーグルトを作ったところ、凝固せずに飲むヨーグルトのようなさらさらとしたヨーグルト風味の飲み物ができた。この低脂肪乳では凝固しないという現象に注目し、乳脂肪と凝固の関係を探ることにした。
 まず始めに、複数の会社が作った普通牛乳と低脂肪乳でそれぞれヨーグルトを作り、牛乳の製造元の違いによる差が無いことを確かめた。つぎに、脂肪濃度が多いと考えられるジャージー種の牛乳でヨーグルトをつくった。普通牛乳とジャージー種の牛乳では凝固の程度に違いは見られなかったが、低脂肪乳ではすべてのサンプルで液状のヨーグルトが得られた。当時は、まだ乳酸発酵の基質と酸によるタンパク質の変性についての知識が無かったため、ここまでのデータで脂肪の減少がヨーグルトの凝固の程度を低下させるという結論を出してしまった。今になって思えば、ヨーグルトが凝固する原因はタンパク質の変成なので、タンパク質濃度の違いに関する実験と考察が必要であった。そもそも低脂肪乳で作ったヨーグルトは酸っぱかったので、乳酸発酵自体は生じていたはずであり、凝固しなかったのはタンパク変成が生じなかったためと考える方が適当である。 
 余談になるが、豆乳でもヨーグルトを作ることができた。しかし、牛乳で作った場合に比べてできたヨーグルトは固く、酸味よりも豆乳の味の方が強かった。舌触りも滑らかではなく、少々粉っぽかった。豆乳にも牛乳同様カゼインが含まれており、糖分も含まれている為、乳酸の生成と凝固が生じる。固かったのと粉っぽかったのは、牛乳と豆乳の組成の違いによるものであると考えられるが、粉っぽくなってしまった直接の原因は分からない。