きっと何気なく発した言葉だったのだろう、ついポロッと、

「何でこんな病気になってしまったのか」と。

「遠くの旅行なんて行けないかもしれない、でも、気楽に近くの温泉旅行くらいは行けると思っていたのに・・・」

お互いに定年退職したらそんな希望をもっていたらしい。

現実は、相方が認知症になってしまって二人で旅行なんて行ける訳がない。

それどころか散歩ひとつとっても、トイレのこととか考えると中々難しいようだ。

ずっと定年まで温めてきたであろう予定が脆くも崩れ去ってしまった老後の人生。

病気は本人のみならず、周りも幸せではいられなくする。

これからもまだまだ元気に暮らして欲しいと願うが、崩れた予定を新しく組み立てる手伝いを、私たちはどうできるのだろうか。