子供に穏やかに接したい。でも、切れてしまう。怒鳴ってしまう。この状態を何とかするために、これまでいろいろなことを試みた。たくさんの育児書を読んだし、オンラインの育児コースも受講した。Youtubeで育児関連の動画も見た。アンガーマネジメントに関する本も読んだし、動画も見た。

 

子供にどう接したらいいのか、頭では全部理解している。でも、思考よりもまず感情が先に来るので、怒りの感情が沸いてきたら、「子供にはこう接するべき」という理屈を吹っ飛び、「怒りを感じたらまず深呼吸して3秒数えましょう。」といったアンガーマネジメントのテクニックも無視して、怒鳴ってしまう。まさに、「わかっちゃいるけど、できない」状態である。

 

ここでいきなりカリフォルニアの森林火災の話題になる。

 

毎年繰り返されるカリフォルニアの森林火災の原因は、雨不足で木々が乾燥していることにある。近くの電線から火花が飛んだり、稲妻が落ちたりして、一本の木に引火すると、乾燥している木々は燃えやすいので、あっという間に火が広がって、町全体を燃えつくす大火事となる。

 

でも、雨が降って木々が濡れていると、電線から火花が飛んだり稲妻が落ちて一本の木に引火しても、周りの木々に火が燃え移らず、大規模な森林火災にはならない。水分をたっぷり含んだ木々は燃えにくいからである。

 

子供に穏やかに接するためにはどうしたらいいか、の答えがここにあった。(後で詳しく解説します)

 

今週水曜日は書斎にこもって、Zoomで19時まで日本のクライアントに研修を提供していた。その後、キッチンに行って夕食の準備を始める。研修はスタンディングデスクを使って立ってやっていたので、足が疲れているし、頭も疲れているのだが、休んでいる暇はない。子供達を21:30までに寝かせるには、遅くとも19:30には食べ始めないと間に合わない。いつもは18:30には夕食取るのに、もう19時過ぎ。。。

 

こういう状況であっても、夫はソファで悠々と読書。子供達はリビングルームで遊んでいて、近くには学校の荷物やマスクが散乱している。私が「テーブルをセットして」と言っても、何の反応も返ってこない。私はさっきまで仕事していて、その後休む間もなく夕食を作っていて、それなのに家族は誰一人手伝おうとしない。まさにぶちギレポイント満載の状況である。

 

通常であればここで私がぶちギレて「テーブルをセットしてって言ってるでしょ!!手伝わないんだったら夕飯食べさせないよ!!」と怒鳴るのだが、水曜日の夜、私は怒鳴らなかった。

遊んでいる子供達のそばに寄っていき、「トモ君、リアちゃん、お帰り!会いたかったよ!」と優しくハグして、「お母さん今夕飯作っているからテーブルをセットしてくれる」と優しく伝えた。

 

なぜ私は、ぶちギレポイント満載の状況にありながら、こんな天使のような行動を取れたのか。

 

それは、研修がうまくいって上機嫌だったからである。自分ができるベストを尽くし、受講者にも満足してもらえて、凄く満ち足りた気分になっていたからである。

 

自分自身がご機嫌なときは、いつもと同じブチ切れポイント満載の状況でも、キレないでいられる

 

これは私にとって大きな発見であった。

 

「子供にキレないでいるには、夫と喧嘩しないようにするためには、子供や夫への接し方を変える」というのが王道で、「最適な接し方」が育児書等でいろいろ説明されている。でもこれらは、「子供や夫への接し方を変えれば、彼らの行動も変わってくる」ことが前提、すなわち、彼らの行動がよりよく変わることが条件になっているので、彼らの行動が変わらないと、またブチ切れポイント満載の状況に戻ってキレてしまう。

 

外(相手)に働きかけるのではなく、また、相手の行動に依存するのではなく、自分自身で完結する方法があった。それは自分自身のご機嫌を取ること。子供や夫が家にいない日中に、できるだけ自分が好きなこと、自分の気分良くなることをたくさんやって、自分の中にポジティブなエネルギーをたくさんためておくこと。水分をたくさん含んだ木々が、簡単には引火しないように、ポジティブなエネルギーがたくさんたまって上機嫌な私は、子供や夫が期待している行動をしてくれなくても、簡単にはキレないのだ。(ここで森林火災の例とつながった)

究極的には、私の気分は、子供や夫といった外部要因にはあまり影響を受けなくなる、ということだ。

 

長くなってきたので、続きはまた次回に!