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ここにいること

equal zero-写真行為034


 人目を避けるように
 本通りから路地に入り込み
 薄汚い川の袂で煙草を吹かす


 日没前、頭上に鳶が舞う


 帰ろうか、一緒に帰ろうか


 皆で踊りながら俺を誘う



 いいんだよ
 一人で帰れるから...



 安住の場所が在るとすれば
 それは延べつ繰り返される
 後悔の爪痕であり
 消せない人生の足跡こそ
 縋るべき自分自身の祠なのかもしれない




 人は過去に回帰し
 己の存在を確信する生き物なんだ



 今、ここにいること...
 ゆく末のことなど知らない












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