どーもー!
いやね、
最近、引っ越したのにも関わらず、
引っ越しの必需品である
モンキーレンチを持ってなかったんです。
モンキーレンチを何に使うかっていうのは
一般常識なので
知ってて当たり前のことなので
あえて言いませんけどね。
まぁあの、
洗濯機に使うんですけどね。
まぁまぁまぁ、
これ以上は言わなくても
もうわかると思うんでね
割愛させていただきますけど。
洗濯機の給水ホースをね、
蛇口につけるのにね、
いやいやいや、
これ読んでる方はね、
バカじゃないんでね。
みなまで言うなって思いますよね。
・・・
蛇口につけるナットを回すために
モンキーレンチが必要だったんですよ。
全部話しましたね。
これなら最初から普通に説明したほうが
早かったんじゃない?
で、
そのナットが意外と大きかったんですよ。
定規で簡単に測ったら3cmくらいあったので
3cm以上のモンキーレンチがあればいいってことで
ドン・キホーテまで買いに行きました。
ドン・キホーテの工具コーナーにつきました。
なんか、男子高校生が3,4人たむろしてます。
そのうちの一人が
一番大きいモンキーレンチを手にとって
「こんなデカいの買うやついるのかよ~」
と言い出しました。
それが3cmのモンキーレンチです。
僕がほしいのは3cmのモンキーレンチです。
こんなデカいの買うやつ、ここにいるよ。
モンキーレンチを持った高校生はさらに続けます。
「これ買ってったら斎藤(仮名)喜ぶんじゃね?」
話の流れ的に斎藤さんは学校の先生みたいです。
でね、よく見ると
そのモンキーレンチがラスイチだったんですよ。
いや待て、
ギャグでそのモンキーレンチ買ったりしないよな?
君の近くにそのモンキーレンチを必要としてる人がいるよ。
こんなデカいモンキーレンチを買うやつが
君のすぐ近くにいるんだよ。
そいつは、そのモンキーレンチを
ちゃんと工具として使おうとしているんだよ。
かたや君はなんだ?
ギャグでモンキーレンチを買うとか言ってるのかい?
モンキーレンチを工具として使うのと
ギャグで使うのと
どっちが正しい使い方だと思う?
そりゃ工具でしょうよ。
だって、モンキーレンチって
工具だもの。
だから、
そのモンキーレンチを買うな!
俺に譲れ!
さぁ、元の位置に戻すんだ。
そしたら俺が即座にかっさらって
買って帰るから。
俺は家で洗濯がしたいんだ!
そのためには
そのモンキーレンチが必要なんだ!
君の選択次第では
俺の2万5,000円の洗濯機が
ただのデカい筒になるんだぞ。
2万5,000円の物体が
洗濯として活躍できるようになるのか
ただの鉄くずになるのかは
君の判断にかかっているんだぞ。
君が今、手にしているそのモンキーレンチ。
モンキーレンチ自体の値段は2,000円足らずだ。
でもね、
物には売値とは違う真の価値というものがあるんだ。
そのモンキーレンチには
今、2万5,000円の価値があるんだ。
そりゃ、モノの真の価値っていうのを
見極めるのは難しいことだ。
難しい。
難しいけど。
君には本当の価値がわかる男になってほしいんだ。
その値札に書いてある金額は嘘だ!
君はそれを知らない。
気づけ!
気づくんだ!
そのモンキーレンチは
君が持つべきものではない!
さぁ、ゆっくりとそのモンキーレンチを置くんだ。
大丈夫。俺は君には何もしない。
君に危害を加えることはない。
わかるだろ?
君にはもうそんなものは必要ない。
君はそんなものなんかなくても生きていける。
大丈夫。俺を信じろ。
さぁ、ゆっくり置くんだ。
安心しろ。落ち着け。
よぉし。いい子だ。
・・・捕らえろ。
あまり痛めつけるなよ。
大事な人質だ。
・・・なんだその目は?
少年。君にいいことを教えてやろう。
大人の言うことは信じるものじゃないぞ。
特に俺みたいな大人のな。
・・・連れて行け。
安心しろ。
斎藤は生かしてある。
この言葉は信じていいぞ。
こうしてモンキーレンチを手に入れた俺は
世界を手中に収めることに成功したのでした。
それから数十年、
世界中の人々は独裁政権のもとで
恐怖に支配されて生活することになるのでした。
BAD END!
~番外編 TRUE END~
こうしてモンキーレンチを手に入れた僕は
無事に洗濯機を使うことができたのでした。