Half-A-Room -82ページ目

蜻蛉玉

12月23日


受験時代通っていたアトリエの先生のお宅でクリスマス


今日もまた足の踏み場もない小部屋で孤独を甘やかす私には

とにかく夢のようなお家


掃除の行き届いた部屋

薪をくべる暖炉

自家製のワイン

そして百万ドルの夜景


手摘みのバジル

ひとつひとつ丁寧に作られた料理

手作りのジャムと酵母パン

生活を豊かに、彩りあるものにする数々の、

手間を惜しまない工夫


まるでハイジみたいだと思った

ハイジになりたい私たち

あこがれの生活


夫婦という形に憧れはあまりないけど

二人は憧れの夫婦だと思った


揺り椅子に腰掛けて

窓の外を眺めようとすると

部屋の中が映り込んで何も見えなかった


二度と揃うことはないだろう

束の間の7人とその空間が

少し愛しかった


プレゼントに

北海道のお土産

携帯のストラップをもらう

もうすぐ携帯を変えるので

新しい携帯に、つけます

「とんぼ玉ではなくかげろう玉」だと言っていた


そういえば先生には前にもストラップをもらったな

さくらんぼの鈴が付いたストリップ

じゃなくてストラップ

「さおりんごさんだけど、さくらんぼです」

などと言いながら


ストラップをなくした話をする元パン屋さん(高畑勲似)に

「形あるものはすべてなくなるのよ」と

先生の奥様がおっしゃる



二階の窓、広がる夜景

「夢のようですね」と言ったら

「これも現実です」と先生


窓の端には京都タワーが見えた


私の家のベランダからも京都タワーが見える

当たり前過ぎて最近まで気づかなかった事