Half-A-Room -65ページ目

3月12日

ああ卒業式で泣かないと
冷たい人と言われそう。
斎藤由貴/卒業


3月12日
ついによねんせいが卒業してしまった
気分を先取りして私は
随分前から寂しいけれど
ほんとうに
実感するのは4月なんだろう

私はどれだけ幸福な学園生活を送っていたんだろう

愕然とするほどの
幸福
自覚のある幸福。

幸福は、本来無自覚の中に存在する

山田詠美の小説にあったけどそれなら
私の感じるこれはいったい何だろう

気づいてしまった瞬間から
幸せには
哀しみの色が混じる

私みんなが好きで好き

「みんな」なんて概念は私になかったはずなのに
みんなが好きだ
みんながいてくれているような気がしている

それはたぶん錯覚です
とてもとても
幸福な

これはどんな幸福だ

失ってから気づくのではやっぱり遅すぎて
そんなことが多かったかどうか
なくす前に気づこうと躍起
なあたしは過敏になった

命は短し
大切なものを
選ばないといけないらしい
何がそうで
何がそうでないか
わかってるようでいて
そうでもないような
誰か教えてくんないかな