その世界に他者はなかなか入ることができない。
自分の存在の違和感、疎外感、孤独感などが世界との間で湧き上がり、沸騰し戦争にもなるし、
恋愛にもなる。
世界がひとつではないことは、耐えられないことで、わたしの世界だけが唯一であれば常に平和で安らぎと微笑みも快感が全身を包み安楽死すら必要としないユートピアに棲む天使の様な存在となる。
現実はそうはならない。
常に外界との様々な交流を重ね、刻一刻と時を刻みながら生命は死へと向かう。
とともに、自らの中に、その身体の中にも受けれ難い自分でない世界を発見する。
未知なる自分が自分の中で蠢いて生きていることを。
内なる世界の中の他者の存在。
自由にならざる身体の外部性への気づき。
耐えられないほど困難な世界の統合をすることで、なんとか生きているのが人間の姿に違いない。
その、他者としての肉体の延長線上に果てしない世界が広がっている。
壮大な宇宙、母なら大地、自分が生まれる遥かなる過去の記憶とも繋がり、そこにはこれから起こる未来の記憶すら存在する。
過去も未来も外部の世界。
そして、それが内部の他者としての世界と融合している。
時より核分裂をしたり、核融合をしたりして、エネルギーを創出している。
わたしの世界は拡大したり、縮小したりを繰り返しながら、世界の中に漂流する魂の表現された存在の証となる。
生きるとはそうゆうこと。
世界は、
恐るに足らず、また、獲得するに足らず、
中の世界と外の世界の狭間でしか生きられないのが魂の本質だから。