開幕2連勝。
開幕から落とした勝点が無いということですから、結果は最高のものと言えると思います。
そして、内容も開幕戦よりは、チームとして良化していました。
特に、前半開始から4-3-3がはまって、前からのプレスから奪って、早いパスワークからの攻撃は相手を完全に混乱させて15分は甲府に何もさせませんでしたからね。
少なくとも、開幕戦では、そこまで畳み掛ける時間帯が無かった訳ですから。
そして、後半は停滞すると見るや否や、4-2-2-2と柔軟にシステムを替えて、膠着状態で後半の終盤まで進んだアウェーゲームを、一番体力的にも厳しい時間帯でリードを奪い、逃げ切りました。
この試合では、DFラインから繋ぐことばかりに固執せずに、時間帯や疲労度に応じてロングボールでDFの裏のスペースで起点を作ろうとしたり、一旦大きく蹴り出して、ラインを上げたりと内容が悪いなりに、状況に応じたサッカーができるようになってきているのも、結果に繋がっていると思います。
チームのポテンシャルを考えれば、まだまだ物足りない内容ではありますが、その物足りない中でも、開幕から2試合、いずれも難しい試合を勝ち切ったのはチームの力を感じます。
開幕2試合で、内容はまだまだこれからなものの、それでもチームの力を感じたのは、途中交代する選手が質の高いプレーで監督の要求に応えて変化を加えていること。
開幕戦の途中出場が、ブランコ、健勇、扇原。
この甲府戦では、南野、枝村、椋原。
交代した選手でいえば、ブランコ以外は、チームにうまく変化をもたらしたと思います。
試合の内容や流れが悪い中でも、交代枠を使って、流れを少しでも引き寄せて、チャンスをものにして勝ちきってしまうあたりに、例年以上の力を感じます。
内容がまだまだだけれども、勝ちきってしまえるのは、こういった交代カードも含めて選手層が厚いからだと思いますね。
甲府・城福監督も試合後インタビューで「交代選手のクオリティではC大阪は相当高いと感じた。我々がシーズンを戦って行く上で、もっとレベルを上げていかないと駄目だと思う」
(J's Goal 抜粋)とコメントしたみたいですしね。
レギュラークラスで、試合の流れをガラッと変えられる選手がベンチに控えているのは、監督としても選択肢が広がりますから、プランを柔軟に変えられるという点では大きな強みだと思います。
そして、開幕からまだ2戦ですが、大きな変化を感じるのが、クルピ監督。
変化というか、今年こそは、マジで結果に拘っている気がします。
内容の伴わない開幕直後の試合における例年のコメントなら、「10試合くらい消化しないと連携がしっくりこないし、チームは成熟していかない」という旨の開き直りが常だったのが、今年は、そういうコメントはしていません。
試合内容が悪いのを認めた上で、即改善しようと試みる姿勢のコメントをしています。
試合後のインタビューにおいても、答えにくい質問や、戦術面などの質問に対しては、いつも、はぐらかしてまともに答えないクルピ監督も、今日の試合のコメントを見る限りでも、きっちり対応しているように感じます。
また、クルピ監督は、ブラジル人に絶大の信頼を寄せ、ブラジル人偏重と思える布陣を敷くことが常でしたが、ここにも変化が出てきています。
開幕戦で後半頭から途中出場したブランコが、目だった活躍ができなかったと見るや、この甲府戦ではベンチ外となりました。
そして、フィジカルコンディションが上がっていないのか、日本のスピードに慣れていないのか、セレッソの中での役割を把握しきれていないのか、理由は定かではありませんが、明かに浮いてフィットしていないエジノを、開幕戦もこの第2戦も最初の交代枠でベンチに退けています。
この甲府戦では、フィジカル的にウエイトオーバー気味で運動量の少なかったシンプリシオも前半で退けています。
クルピ監督のインタビューでも、
Q:エジノはポジションに迷っているようだがどう感じているのか? という質問に対して、
「それが答えだと思う。まだ迷っている。彼がもっとポジショニングを理解する必要があると思う。でも、その前にある課題はゲームのスピード感に慣れることやフィジカルコンディションを整えることだと思う」(J's Goal 抜粋)
とブラジル人に辛辣なコメントをしています。
そして、この試合、勝ちきった後半は、フィールドプレーヤーにブラジル人無しで、純国産。外国籍選手はGKのキムだけ。
それで、勝ち切るあたりに選手のポテンシャルも感じるし、ブラジル人のコンディションが上がってきて融合できればと思うと、更にチームとしての伸び代を感じます。
そんなまだまだ多くの伸び代を感じさせての連勝。
勝てるチーム、負けにくいチームに変わりつつあるのか?!
その試金石は、同じく連勝スタートで好調な次節のFC東京戦ということになりそうですね。