その点、日本の戦後の住宅団地が無表情であることとは大きく相違している。
フランスの文豪ビクトル・ユーゴーは、建築物のデザインについて、
「建築物の屋内デザインは、その所有者の好きなように造ったらよい。
しかし、建築物の外観は皆の目に触れるものであるから、
所有者の勝手は許されない」という趣旨のことを言っている。

不愉快なデザインは、景観公害の原因となることを指摘しているわけで、
ユーゴーの言葉に代表される考え方が、西欧建築物の外観デザインに対する
社会的なものの見方となり、行政上の景観規制の考え方になっている。
このような社会においては、住宅の内部空間を外部からうかがえるような
ネグリジェ建築は、社会的に入り込む余地を持たない。