190515、(3の#59) 恋の目安箱 | エンエンの「何でもあり」なブログ

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普段、話し相手がいないので、ブログを読んでくれる方が話し相手だと思って、語りまくります。時には、つまらないと感じたり、短かったり、長かったりするかもしれませんが、たまには、読んであげて下さい。

『暴れん坊将軍Ⅲ』#59

表御右筆の水野武兵衛(橋本功)が庭で竹刀を振っている。
娘の志乃(山下智子)は、中で仕立て物をしている。
質屋の河内屋徳三郎(森川正太)は「志乃と結婚させてくれ」と言いに来たのである。
しかし、武兵衛が怖くて徳三郎は尻込みする。
徳三郎は、目安箱に訴えることを思いつく。
「自分は町人で、水野武兵衛の跡取り娘志乃とお互い結婚の約束をしたが、町人の自分には申し込むさえ難しく、将軍様、私たちの恋にお力添えをお貸し下さい」
近頃の町人は、金で旗本や御家人の株を買い漁ったり、持参金付きで婿入りしたりしている。

貧乏旗本の三男坊徳田新之助に扮した吉宗(松平健)が、質屋河内屋を訪ねると、中から出て来たおさい(浅茅陽子)とばったり会う。
おさいは、新之助が金に困っていると思った。
又、新之助もおさいが金に困っていると思った。
おさいが河内屋を訪ねたのは、次男坊徳三郎の婿入りの話で大旦那に呼ばれたから。
新之助も「一肌脱いでやろうと河内屋を訪ねた」と言う。
徳三郎の人柄は、少し優しすぎて気の弱いところがある。

勘定奉行黒原佐渡守(山本昌平)の屋敷、大黒屋源蔵(金子研三)と秋山左内(田中弘史)がいる。
黒原は勘定奉行として、貼紙相場を決めなければならない。
大黒屋に「札差組合より、江戸、京、大坂の平均米相場を出してもらいたい」と言う。
又、大黒屋が武兵衛を訪ねたところ「志乃が黒原の側室になるのは断られた」と告げる。

御刀剣研處へ武兵衛が入って行く。
その後をつける浪人二人。
それを向かいの茶屋で茶を飲みながら偶然見ていた新之助、浪人二人は何か企んでいるように見えた。
武兵衛は刀を金に換え、今差している脇差しは竹光だった。
帰りの道中、そんな武兵衛が浪人に襲われ、新之助が助けに入る。
お互い名は名乗らず別れる。

徳三郎の話だと「志乃には志願者が多い。勘定奉行の黒原佐渡守も側室にと…」と言う。
おさいは徳三郎の代わりに武兵衛を訪ねる。
武兵衛に徳三郎のことを言うと「徳三郎を斬りに行く」と言い出した。
おさいは「見初めたのは徳三郎だけでなく、お嬢様もですよ」と言うと、志乃ははっきり「はい」と頷き、武兵衛に懇願する。
武兵衛は「手打ちにしてくれる!」と憤る。
おさいは武兵衛に愛想をつかし、徳三郎を諦めるように志乃に言う。
め組に帰ったおさいは、そこにいた徳三郎に事の次第を伝える。
泣き出す徳三郎。
水野家は百五十俵、しかし志乃は、母が長い患いで亡くなったため、方々に借金がたまり、志乃の仕立て物の内職でも追いつかず、質屋通いをしていた。

田之倉孫兵衛(船越英二)は、志乃の婿を探してやるが、武兵衛は全て断る。

水野家を訪ねる新之助。
武兵衛は先日助けてくれたのが新之助だと知ると、新之助をえらく気に入り「志乃の婿に」と言う。
新之助は「許嫁がいる」と嘘をつき、改めて徳三郎と志乃の結婚を認めるように頼む。
武兵衛は「新之助の頼みなら」と、徳三郎の婿入りを認める。
翌日から徳三郎は水野家に住むことになり、武兵衛との剣術の稽古、薪割り、水汲み、庭掃除などやらされた。
夜、志乃の部屋に潜り込もうとしても、武兵衛に見つかり、夜は志乃に会えなかった。
武兵衛の跡を継ぐのは先の話で、まずは湯呑所の見習いにしてもらう。

俸禄の支給は年に三度あり、その都度相場は変わるから、その時々勘定奉行が中心になって決める。
支給日の前に、城内に貼紙相場が出る。

黒原佐渡守の屋敷、大黒屋が「市中の米相場は江戸、京、大坂の平均で三十五両」と告げる。
「今回の貼紙相場も百俵三十両でどうか」と大黒屋が尋ねるのへ、黒原は「二十五両だ」と答える。
二十数万両の儲けになる。
黒原が「老中になるのにも金がいる。大黒屋は五万両で我慢しろ」と言う。
今期の貼紙相場を吉宗に見せる孫兵衛、そこには「金三拾五両」と書いてある。
才三の知らせ、黒原佐渡守の屋敷に札差の大黒屋が頻りに出入りしている様子。
吉宗は「詳しく探るよう」命じた。

城内に貼られた貼紙相場には「金二拾五両」と書いてあった。
相場より十両も安いことに不平を漏らす徳三郎。

黒原佐渡守の屋敷、秋山が「貼紙相場が市価より十両安いと騒ぎ立てる者がいる。武兵衛の娘志乃に婿入りする徳三郎だ」と報告に来る。

徳三郎が帰宅すると、武兵衛から「武士が金のことを口にするは最大の恥」と怒りを買う。
武士は食わねど高楊枝。
徳三郎から、百俵二十五両という話が新之助の耳に入る。

吉宗は、黒原佐渡守に問い質すと「二十五両は御右筆の書き違いだ」と言う。
黒原佐渡守は、水野武兵衛に書き違えたことを詰問する。
武兵衛は「勘定所より届けられた通り書き、書き違いなどしていない」と反論した。
武兵衛は「目付に詮議糾弾を受けるとは、この上なき恥辱」と身の潔白を示すため、切腹する。

徳三郎が歩いているところ、浪人に襲われる。
才三が助けに入り、難を逃れる。
徳三郎が帰宅すると、武兵衛が切腹をして果てていた。
遺書は二通あり、一通は志乃宛。
「徳三郎を婿養子にして家督を譲る」
もう一通はお目付宛。
新之助が中を開けて見ると「貼紙相場を書き違えたこと断じてない。身の潔白一死もって証する」と書いてあった。

黒原佐渡守の屋敷、目の前には目映い小判が。
上様には「支給し直した」と伝えるだけ。
儲けは全て我らのもの。
吉宗が現れる。
「余を謀って俸禄の上前を撥ね、私腹を肥やし女を漁るとは何事だ」
黒原佐渡守は、才三と疾風によって成敗された。

徳三郎と志乃の婚礼。
吉宗は徳三郎を勘定吟味役に取り立て、公儀の諸経費を節減して、貼紙相場を市価より一両高く定めさせたのであった。

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