PETボトルのリユースが日本で進まない理由として大きく2つの下記の問題があります。
①安全性の問題
②環境負荷の問題
※PETボトルリサイクル推進協議会 「PETボトルリサイクル年次報告書2021」より
①安全性の問題
PETボトルに吸着された汚染物質を、ボトル状態での洗浄技術・検査技術では100%除去することは困難だそうです。 (参考)食品衛生学雑誌Vol.52, No.2
→飲料など使用方法を限定し、洗浄しやすい形状であればリユースの可能性が高まるかもしれない。
②環境負荷の問題
ワンウェイPETボトルより環境負荷が小さくなるリユースPETボトルは
・空ボトルの回収率が90%以上でかつ
・販売拠点から工場までの返送距離が100km未満
の非常に限られた条件下でのみだそうです。
→PETボトルは軽量であるため空気を運んでいるようなものであり経済的にもよくないかもしれません。上記条件に当てはまらない場合(現状)では、「焼却処理」の方が環境負荷が小さいことになります。また、他のプラスチックが混入していればリユースやリサイクルは成立せず「燃やせるゴミ」となります。
このようなことからPETボトルのリユース(再利用)はかなり厳しい条件下で成り立つことがわかりますね。あと残る選択肢は
・リデュース(削減)
・リサイクル(原料化、飲料ボトル以外への転換)
・焼却による熱回収
の選択肢があります。
次回は「リサイクル」について