今回は珍しく生物多様性に関する投稿です。

我々は自然からいろいろな恵みを享受しています。だから我々の自然へのアプローチと距離感が非常に大事です。

 

今年、200万人都市札幌でクマが出没し、殺処分された事件がありました。

 2021.09.28のクローズアップ現代プラス(NHK)で検証放送していました。

 記憶をたどってまとめると以下の通りです。

 

 

1.動物(害獣)出没原因は?

 

 ・気候変動等により動物の餌が減少してきている

 

 ・山林に人が多く入るようになった(宅地開発、キャンプ、ハイキング等)ことにより動物と人

 との距離が近くなった

  → 人の食物の味を覚えた(学習した)

  → 人を恐れないようになった

 

 ・舗装道路が整備され山林と街に往来が容易になった

 

 ・里山の人口減により生態系のバランスが崩れてきている

 

 ・用水路の整備等により山林から街中へアクセスが可能になった

 

 ・人工による緑化が街中に整備され、動物(害獣)が暮らしやすい環境が増加した

  → 行政(札幌市)では想定していなかった(想定を超えた)

 

 ・自然環境整備行政による「河川への魚の放流(カムバックサーモン運動)」により動物の餌が増加した

 → 今までにサケ・マスを捕食していたクマは知床のみ(過去調査より)

 

・街中生活を経験した動物は山林へ戻しても再度街中へ出没する

 

 

 

2.街中に出没した動物はどうなる?

 

 ・殺処分される(特に殺傷力の高いクマ、イノシシ等)

 → 仕方がない(行政と大学研究機関の見解)

 

 

3.対策はどうする?

 

 ・科学的な見地による管理

 → 特にクマは冬眠があり活動時期を特定できる

 → 餌となる食料の分布の把握および管理

 

 ・過度の保護活動をやめ生態系のバランスを管理する

 → 個体数管理等

 

 ・国立公園や鳥獣保護区への人の出入りを厳密に管理する

 

 ・害獣が住みにくい街中緑化を推進する

 

 

 

<私個人の意見>

  これらのことは、札幌に限った話ではありません。クマやイノシシのような動物はは日本全国どこにでもいます。皮肉なことに「カムバックサーモン運動」の副作用として熊が街中に出るきっかけを作りました。テレビによると山林の中に宅地開発をしていました。驚きです。

  人口が今ほど増加していなかった頃と今とでは国土の状態はかなり違います。

殆どの山林に人に手がすでに入っています。その上、人の行動や居住等には自由が認められています。

  しかし、動植物保護地区や自然環境保護地区等への人の立ち入りを制限(行動制限)するのは生物多様性を守るためにはやむを得ないと感じます。

 

 科学的根拠に基づく法的な議論が必要ではないでしょうか?

 自然に任す管理にはもう限界が来ています。コロナ対策と近いものがあるような?