あるテレビ番組である大学の先生が「プラスチックは回収して燃やすのが一番エコである」と言っていました。
「プラスチックのリサイクルや使用削減こそエコだ」という意見の人には何言ってるの?という感じかもしれません。
私個人はどちらもよく理解できます。学校や仕事で少し有機化学、高分子(プラスチック)合成、プラスチック成型などに携わった経験から先生の意見にも賛同できます。
プラスチックができるまでを見れば少し理解してもらえるのではないかと思います。
①プラスチックは元々原油(石油)からスタートしている。そして原油(石油)は生物由来原料である。
②石油を精製工場からいろいろな燃料や石油製品が得られる
得られるもの:重油・軽油・灯油&ジェット燃料・ガソリン&ナフサ・石油ガス(LPG)
③ナフサからさらに有機溶剤やプラスチック原料が得られる
得られるもの:有機溶剤(キシレン、トルエンなど)
プラスチック原料:ブタジエン・プロピレン・エチレンなど
④プラスチック原料を重合し、ペレット化して成形品原料になる
石油化学誘導品工場|石油化学工業協会 (jpca.or.jp)
このように石油から無駄なく上記の例以外の様々な産業必需品がバランスよく誕生します。
バランスよく誕生するのであればバランスよく消費することがエコになるのです。昔は利用されないものは燃焼していたそうです。モッタイナイですね。
回収したプラスチックごみのリサイクル率はせいぜい10~20%程度だそうです。これ以上にするにはかなりのエネルギーとコストが必要だともいわれます。これではエコとは呼べないかも。
総合的に考えれば「プラスチックは回収して燃やすのが一番エコである」考え方も理解できます。
今やプラスチックなしでは原始人の生活レベルになります。
プラスチックごみの最大の問題は
・環境に放出されること
・排出国自身で処理しきれないこと
・緩和的に削減する手段の提案がないこと
だと思います。
提案①国レベル プラスチックの消費量と廃棄処理量の自国バランスをとる(法制化?)
提案②市民レベル プラスチックごみは持ち帰る(きっちりと自治体で処理する)
提案③産業界・消費者レベル 過剰プラスチック包装の抑制運動推進(今以上に)
どうですかね?