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ありふれた商品でもカテゴリーキラーになれる 2/4

どこにでもある商品でNo1になったケンコーコム


健康 関連のEC(電子商取引)で「カテゴリーキラー」の地位を確固たるものにしつつある企業がある。1日17万人(2007年6月現在)が訪れる健康関連商品販売サイト「ケンコーコム」を運営するケンコーコムだ。

同社は、明らかな成長軌道を描いている。しかし、商品の中には全国のドラッグストアで見かけるものも多数含まれる。「どこにでもある商品」も販売しながらナンバーワンになれる戦略とは、どういったものか――。

2000万円をネット広告につぎ込み、売れたのは70万円

同社がヘルシーネットとして「ケンコーコム」を立ち上げ、EC(電子商取引)事業に参入 したのは2000年5月。当時、米国ではフットボール観戦の座席をインターネットで予約できる仕組みが整うなどECが活気を帯び始めていたが、日本では市場がほとんどなかった。

だが、後藤玄利社長は「近い将来日本にもこの波は訪れるはずだ」と予感していた。取得していた「kenko.com」のドメイン名を使い、商品数50点でECを開始した。


だが、ここでケンコーコムは大きく足踏みをする。立ちはだかったのはネット市場の壁だった。当時は、誰もECで顧客を獲得できるノウハウを持っていなかった。広告代理店に聞いてもバナー広告を勧められるだけ。3年かかってダイレクト・マーケティング の方法論を確立させたヘルシーネットだが、ECではまた新たな試行錯誤が必要だった。


「広告は中途半端に出してもうまくいかない」という広告代理店 のアドバイスを忠実に受け入れ、2000年6月に、当時のYahoo!JAPANトップページなどを含めて、ひと月に2000万円もの広告費を一気につぎ込んだ。しかし、売れたのはたったの70万円。さすがに顔面蒼白だったという。

「ECは終わった」

それ以前から続けているダイレクト・マーケティングのビジネスのおかげで、売り上げはかろうじてあった。しかし、アクイジション・コスト(一人当たりの新規獲得コスト)が数万~数十万円も掛かっているため、ビジネスは到底成り立たなかった。


当時は、ITバブル が崩壊して「ECは終わった」「ネットでモノを売るなんて、ばかげている」という風潮が主流だった。後藤氏はこれだけのアクイジション・コストが掛かっている現実を見て、「もしかすると、そうかもしれない」という気持ちもあったという。しかし、「ECはこれから流通の主役になるという確信に変わりはない。やり方が間違っているだけで、方法を変えれば本来うまくいくはずだ」と考えた。


その手段として、当初はバナーやメルマガ広告をはじめ、eクーポン、アフィリエイト などあらゆる広告を試した。だが、それらの多くは空回りし、売り上げに結びつくことはなかった。

商品数と月商の相関関係

試行錯誤を繰り返すうちに、道筋が見え始めた。売り上げは少しずつだが上がってきている。しかし、さまざまな広告キャンペーン が売り上げに貢献していないことは明らかだった。わずかながらも売り上げが伸びているのはなぜか。販売データを基にさまざまなグラフを書いているときに、ひとつの法則に気付いた。それは、「商品数が増えるに従って、売り上げが伸びている」ということだ。


ケンコーコムの売り上げは、一商品当たり1万円前後の月商で推移している。2006年度は、宇都宮に新しい物流 センターを開設したことで商品数の伸びを落としたが、約7万点の商品で売り上げは約65億円と、ほぼ近しい数字である。


商品数と月商に相関関係がある。つまり商品数が多いほど、検索にヒットして集客につながるのだ。これが分かったことで、暗中模索だったこれまでの取り組みにようやく光が差してきた。ケンコーコムの「ロングテール化」に拍車がかかった。