アフターコロナとオーバーツーリズムについての私見
日本ではコロナの水際対策が緩和され、さらに5類になったことで、行動制限がかなり緩和されることになりました。沖縄でまた拡大したり、コロナだけでなくインフルやRSウイルスなどたくさんのウイルスが出てきている。コロナだってあれほどのものがいきなり終わるわけはないので、上手に付き合っていくしかない。コロナ制限が事実上撤廃され、人が動くことはとても喜ばしい。高い気温もあってマスクなしが増えてきたことも喜ばしい。訪日客もどんどん戻ってきている。あのコロナのピーク、新幹線に乗っている人は自分1人だったこと、羽田空港のターミナルビルの片側が全て真っ暗だったこと、それらを思い出すと今の混雑している駅や空港を見るのは感慨深いものがあります。一方で確実に弊害も出てきています。まず出張して思うこと、ホテルが異常に高い。ホテルによっては確実にスタッフ不足で部屋数を制限している。サービスレベルは低下せざるえない。予約が取りにくい、列車や飛行機が取れない。最近は京都に出張、宿泊も多いものの、京都駅はスーツケースを抱えた団体欧米客で通路が塞がれていることもしばしば。この3年で日本の観光業は訪日外国人向けにいったんリセットした。そして急激な需要増に対応しきれずなんとかこなしている。その余波は国内旅行者や出張者にも及び、特に久しぶりの国内旅行者は良いものの、出張者には想定外の足枷。コロナ前日本は年間4,000万人目標で訪日客を伸ばした。今、6,000万人目標でアフターコロナを迎えようとしている。どんどん人が戻ってきて、これからというところだけど、あえて2023年の今、提言しておこうと思う。おそらく京都だけでなく、日本の各地でオーバーツーリズムによる問題が深刻化することになる。そのために日本はいますぐ手を打ったほうが良いと思う。京都を見ていると、中国人観光客がいなくて、2023年の時点ですでにオーバーツーリズムのように見える。バスは混雑し、路地にまで観光客が押し寄せる、舞妓さんの写真を撮りまくる、夜まで騒ぐ。もちろんみんなではないけど、そういった一部の人や確率論的に高まることも含めて、京都市民はもうすでに来京に悩んでいると思う。観光で成り立つ街でもあるし、良い文化は多いから見てほしいものの、限度や適切な数があって良いだろう。東京、京都、大阪、北海道だけではなく、日本人もあまりなじみのない地域まで良い場所はたくさんあるし、比較的休暇期間が長い欧米の方は日本の夏休みや長期休み以外の時期に来れることも多いだろう。それは積極的に国や観光地がアピールするものであって、365日大きな波がなく訪日してくれれば、6,000万人はウェルカムだろう。桜の季節や京都など、来る時期、来る場所が集中してしまっては、オーバーツーリズムなんだと思う。過去の私見でも、私見だからこそ勝手な提案をしているので、今度も勝手な提案を。①6,000万人はやはり目指すべき 制限したほうが良いといったニュアンスで書いてきましたが、やはり6,000万人、もっといえば1億人の観光立国は目指すべきです。日本ほど風光明媚で四季折々の姿が楽しめる国はないと思う。食も美味しいし、誇れるものがたくさん。そして人口減少なのだから、外貨を稼いでいく必要もある。だからオーバーツーリズムに対して数値を下方修正する必要はなし。②ネットワーク管理を徹底 もはやスマホ必須になり、今後スマホがなくなったとしてもwifiのような電波供給は必須だと思いますので、入国時からそこはしっかり国で管理してあげても良いと思う。それと引き換えに、定期的な位置情報の把握やビックデータに活用させてもらえば良い。③分散化 時間や場所の分散を徹底してはかることで1億人の観光客を上手に受け入れることが可能に。②のwifiなどで魅力的な情報発信、ダイナミックプロモーションで需給に応じてサービスを変化させることで(特に)長期滞在観光客の行動遷移を促す。富良野に行こうかと思っていたけど、旭川や北見のほうが面白そうなイベントやホテル割引、交通インフラプロモーションがあるから変更しよう、といったことをリアルタイムでしていくことで一定の移動が可能になると思う。私自身も昔、目的ないバンコク1週間滞在の最後のほうは、朝ホテルから地元のショッピングモールに通い、タイ語の映画をわからないなりに見たりしていたので、当時スマホがあって魅力的なプロモーションがあったら絶対移動したと思う。④行政同志の連携 例えば国が主導するにも限界があり、今後は各地域が連携をしていく必要がある。さらに日本にはアニメなどの文化もあるのだから、例えばポケモンならいろんな行政が連携してその土地をキャラクターが紹介し、特別なリアルでしかもらえない何かがもらえるといったことも、ファンを中心に強制的に人を動かすことになる。もちろんそれだけでも訪日のモチベーションになる人もいる。食やアニメ、日本が世界に秀でたもので地域を周遊してもらえることを各行政が考え、連携していくことで結果的にオーバーツーリズム対策になるのではないかと思います。ネットワークやリアルタイム、行政の連携など日本が不得意なことばかりですが、それができれば1億人の訪日外国人客は、地元の人も受け入れられる形で実現できると思います。京都のように、騒がしくて住みたくない、いつもの公共交通機関が観光客で混みすぎて乗れない、器物破損や夜まで騒がしいといった状態では、持続可能な観光立国にはなれないと思います。自分も含めてできることを考えていきたいと思います。P.S.神宮再開発に対して、村上春樹さんや著名人が反対しているというのも、私が以前この私見で言ってた地下の有効活用や神宮の森化などができていればここまでにはならなかったと思いますよ。どの私見も実現できそうなことなんだけどな・・。最近の私見・東京オリンピックについての私見 2021.2・新型コロナウイルスについての私見 2020.3・築地市場・豊洲新市場についての私見 2017.7・新国立競技場についての私見 2015.8