最近読んだ本を紹介します。
井上夢人さんのプラスティックです。
- プラスティック (講談社文庫)/井上 夢人
- ¥680
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54個の文書ファイルが収められたフロッピーがある。
冒頭の文書に記録されていたのは、出張中の夫の帰りを待つ間に奇妙な出来事に遭遇した主婦、向井洵子が書き込んだ日記だった。
その日記こそが、アイデンティティーをきしませ崩壊させる導火線となる。
この小説は、54個の文書ファイルを読んでいく形を取っています。
ファイルごとに、記入者の名前が書いてあり、その人物の主観で描かれています。
一種の叙述トリックと言えなくはないですが、もっと奥の深い、そしてホラーのように怖い話だと思います。
最後の54個目のファイルまでで、何のためにこのファイルが作られたのか明らかになるのですが、とても面白い小説だと思います。
ただ、絶対に映像化は無理な小説ですね。
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