映画『トゥモローランド　TOMORROWLAND』

映画『トゥモローランド　TOMORROWLAND』

監督：ブラッド・バード
主演：ジョージ・クルーニー
　　　ヒュー・ローリー
　　　ブリット・ロバートソン
　　　ラフィー・キャシディ
　　　トーマス・ロビンソン

　ブラッド・バードが監督。１０代の頃からディズニーで働いていた天才。同じく天才J.J.エイブラムスと成り立ちが似ている。
ブラッドの作品といえば、「アイアンジャイアント」「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」という傑作アニメーションがある。
　これらを超える？または匹敵する作品になっているかどうか？
最近裏ネタに行き始めたディズニーですが・・。

　映画は、ジョージ・クルーニー演じる謎の男の未来についての語りから始まる。
　それは、人口増加、環境破壊、災害など暗ーい未来。
　謎の女性に「明るいことを話せ」促され、今度は自分の子供の頃を語り始める。
　１９６４年のニューヨーク万博。少年フランクは田舎からグレイハウンドバスでニューヨークにやってくる。
　自ら製作した空を飛ぶ道具ジェトパックを発明コンテストに出品するためだった。
　そこにアテナという少女が現れ、フランクに謎のバッジを渡す。
　そして、「イッツ・ア・スモールワールド」に乗るように指示する。フランクが後を追ってボートに乗ると
　突然扉が開き、トランスポートという建物にたどり着く。
　トランスポートによってフランクがやってきたのは、未来都市。
　
　一方、宇宙飛行士を夢見る少女ケイシー。彼女はこのままでは地球がダメになると未来を心配している。
　彼女は夜な夜なNASAのロケット解体を阻止するため、解体現場の重機を破壊していた。
　ある夜、彼女は警察に捕まってしまう。
　NASAの技術者の父親の助けで釈放されたケイシー。警察から渡された荷物の中に謎のバッジを見つける。
　フランクが手にしていたものと同じTのバッジだった。
　ケイシーがバッジに触ると、麦畑の向こうに未来都市が見えた。
　そして・・・ケイシーは世界を救うための冒険に巻き込まれていく。

　監督のSF映画愛が満載の映画。
　謎の少女ロボットは「ターミネーター」と「アトム」のウランちゃんのよう。
　発明家としてのフランクは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドクを思わせる。
　映画に登場するトイショップは「スターウォーズ」や「トイ・ストーリー」、「地球が静止する日」のゴートや「禁断の惑星」のロビーやらSF映画の主人公たちでいっぱい。ブラッド・バードのSF映画愛であふれてた作品と言えるかも。
　ストーリーが「インターステラー」を思わせ、父親がNASAの技術者、娘が宇宙に憧れているという設定も同じ。すごく似ている。
　そして、世界を救うのが父と娘という設定も同じで、最近のハリウッドは父と娘が主人公が多い。今度の「スターウォーズ」もそうなりそうだし。
　男が弱い時代となったのか？

　１９６４年のニューヨーク万博で始まるのがおもしろい。今でもニューヨークの名所で映画にも度々登場するアイアンの地球儀はその時のシンボル。
　イッツ・ア・スモールワールドは万博のためにウォルト・ディズニーが製作し展示したもの。のちにディズニーランドの名物アトラクションになった。
　ウォルトには、未来都市計画「トゥモローランド」構想エプコット計画というのがあった。実現はしなかったが、これが映画の構想の基になっている。
　また、１８８９年のパリ万博の話も登場。なんと映画ではあのエッフェル塔がとんでもないことになる！
　エッフェル塔のシーンで、「プルス・ウルトラ」という秘密結社がトゥモローランドを運営しているという話が登場。
　登場するメンバーが、アインシュタイン、エジソン、エッフェル、テスラ。歴史を盛り込まれるとなんだかわくわくする。このへんにウォルト・ディズニーを登場させればおもしろかったかも。
　日本でも「２０世紀少年」が大阪万博を軸に展開して面白かった。

　で、万博やディズニーの歴史を勉強して見にいくとより楽しめるが
　なかなか目的のわからない展開にイライラする。地球を救う方法がそれかよというオチ。
　今回のジョージ・クルーニーは、ジョージ・クルーニーにしか見えず。果たして適役だったのかという疑問。
　
　世の中の評価は真っ二つのようですが。
　ちなみにディズニーランドは全く登場しません。

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