ことし1月に沖縄市で車同士が正面衝突し会社員の男性=当時(19)、愛知県、北中城村出身=が死亡した事故で、那覇地検沖縄支部は24日、亡くなった男性の軽自動車に衝突させ死亡させたとして自動車運転過失致死罪で送検された米陸空軍販売部所属で在沖米空軍軍属の20代の男性を不起訴処分とした。亡くなった男性の母親によると、同支部から連絡があり「公務中のため」と不起訴理由の説明を受けたという。
 事故は1月12日午後9時43分ごろ、沖縄市比屋根6丁目の国道329号で発生。軍属の男性が運転する普通乗用車が対向車線に侵入し、亡くなった男性の運転する軽自動車に正面衝突。男性は約5時間後に死亡した。亡くなった男性は成人式に出席するため帰省中だった。母親によると、担当検察官は「(軍属の男性は)タイムカードを押して10分後に事故を起こしていた」などと話したという。
 軍人や軍属が起こした交通事故は、その運転が「公務」と判断された場合、第一次裁判権は日米地位協定で米側にあると定められている。米公文書によると、日米両政府は公務中の範囲について、宿舎、住居と勤務先の往復や宿舎や勤務地で開かれた「公の行事」での飲酒も含めて合意した。
 母親の相談を受けた池宮城紀夫弁護士は「公務かどうかは米軍の判断。地位協定で地検は米軍の判断に沿って不起訴とする。それが公務に当たるかどうかを主体的にチェックする権限がない。矛盾がある」と指摘した。
 母親は「親思いの息子の命を終わらせて、罪に問えないのは許せない」と悔しさをにじませた。
 2008年8月にうるま市で米海軍所属の女性が起こした交通死亡事故でも女性は公務中として不起訴とされた。

 琉球新報より