信号待ちの車の窓から

ふと見上げた視線の先に

枯れた木の幹を一心に

ついばむ黒いくちばし


木の芽なのか

それとも巣くう幼虫でもいるのか

ただ一心についばむ


貪欲に生をむさぼっている

私にはその姿がとても美しく眩しい


君たちはいつも生きることに

真っ直ぐにむかっている


真っ黒なその姿から

忌み嫌われることも多かろう

でも厳冬の朝のその風景に

救われた今日の私


君たちのように生に

今日の生に貪欲になろうと

思って働いた

今日の私を好きだと思って

眠る夜