今そこに立って見下ろす風景の
行き交う人々は上を向くこともなく歩いている
愉しく笑っているのか
帰路をいそいでいるのか
私にはどうでもいい
私は唯々孤独だ
もうこの世界に存在さえしたくない
そうこの一歩を前に出したら終わる
そんな私の横に一羽の烏
まるで私を見透かすように
烏は唯々横にいる
君は唯々生きてる
明日のことや自分が何者なのか
想うこともなく唯々
ふと空を見上げた
真っ黒な空に星が見える
地上から見るよりはっきりと
もう少しこの世界に留まることも
悪くないと想えるほどの星空
その一歩を前ではなく後ろに引いてみるのもいいかもしれない
そうだねと言うように
さっきまで唯々横にいた烏が
鳴いて飛び立った
もう少し生きてみよう