コラム13(MMT理論について)

執筆2020年6月20日

掲載2020年6月22日

EXパートナーズ合同会社

 

1 最近、政府がコロナ対策のため赤字国債を大量に発行することについて、MMT理論が根拠になると言われたりしています。

 

2 MMT(odern onetary heory)とは、ウィキペディア等によると、自国で通貨を発行できる政府は、市場の供給能力を上限に、貨幣供給をして需要を拡大することができるという財政理論です。

 

3 政府が貨幣供給をするとしても、実取引の対価(建設国債等)では限界がありますから、対価のない赤字国債がメインとなります。

 

4 MMT理論によれば、市場の供給能力を上限とすれば(これを超えるとハイパーインフレになる危険がある)、赤字国債をどんどん発行しても大丈夫、破綻しないから、コロナ禍の中で赤字国債を発行することは許されるということになります。

 

5 これだけ聞いているとマユツバで、怪しい理論のように思えますが、言っていることは明快です。

①  通貨を絶対的な価値と見ない。帳簿上の数字と見る。

②  経済のパイは一つである。

③  これを前提とすると、一つのパイの中で通貨の量が増えれば貨幣価値は相対的に小さくなり、モノの価値が増える。

④  貨幣価値が減れば、負債(国債を含む。帳簿上の数字)の価値も減る。

⑤  いずれ均衡して、破綻しない。

 

6 但しこれが成り立つためには、さらに、

⑥  経済のパイは日本だけではなく、世界規模で見ないと一つとならない。

⑦  時間軸を考慮しないといけない。

 

7 ある程度の時間軸を考慮すれば均衡するはずで、MMT理論は成り立ち得ると思っています。

 

8 時間軸のスパンをどの程度と見るか、数か月か、数年か、10年以上かは、難しいところですが、その間に新しい経済や取引の仕組みに順応した会社が、勝ち組になり、生き残ると思います。

 

9 一帯一路等、中国の海外への経済進出について、警戒感を持たれ、奇異な目で見られたりしていますが、時間軸を過去に遡ると、日本企業が元気なときにやっていたことです。

 

10 古い話ですが、バブルの最盛期には、コスモワールドグループという不動産投資会社が、マスターズが開催される米国西海岸の名門ゴルフ場ペブルビーチを1000億円以上で買収したりしました。

 

11 長銀を潰したとして、バブル紳士の筆頭とされたEIEインターナショナルの高橋治則氏は、環太平洋リゾート構想を掲げてアセアンやオーストラリアのリゾートに投資したり、グアム、サイパンやニューヨーク等のホテル等を多数買収していました。

 

12 今、アメリカや中国の資本が日本の不動産や企業を買収したりしていますが、バブル前の元気な日本企業がやっていたことです。

 

13 時間軸で見れば、また日本の元気な企業がアメリカや中国の不動産や企業を買収するような時代が来ると信じています。

 

(ここまで)

 次回はMMTと暗号通貨、クラウドファンディング

 

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