ワタクシと東急8500系 | まほろ市発なんでもありのブログ

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富井電鉄と書いて宵闇と読む

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今年の3月に田園都市線に2020系が入り8500系の廃車が一気に進むそうである。

ワタクシから見ると東急の電車と言えば真っ先にこの電車を思い出し、ワタクシの人生の中で一番最初にドハマりしたカルダン車でもあった。

独特のクセのある103系のようなモーター音を響かせて田園都市線を全力疾走するその姿は幼さ心にまさにあこがれだった。
スタイルはどちらかというと個性的な 8000系や7200系の方が好きだったのだが、彼らの活躍する大井町線や東横線はワタクシの家からはとても遠く、本格的に利用するようになったのは高校生になってからだった。
こどもの国線でも7200系は走ってはいたが、フルノッチになるのも一瞬だけでありその本懐を知るのはもっと後の事だった。

東急はこどもの国駅が最寄りなのだが、家からは小田急線の玉川学園前駅を越えた更に山の向こう側。家から山を二つ越えなきゃならない上に直通する交通機関もなく車で行くしかありつけない鉄道だった。
こどもの国は良く行っていたのだが、乗る機会もなく、そのため東急を知ったのは小学校1年生になってからだった。

その時は既に田園都市線は分断され、かつてのバラエティー豊かな電車に乗ることは出来なかった。
しかし8500系は先頭車両が動力車で前面展望を楽しみながらモーター音が聴ける電車。そんな事から大好きな電車になった。

特に地下区間(当時は新玉川線)に入るとモーター音が共鳴し物凄い迫力だった。
吊り掛け以外でこんなにうるさい電車がいたんだ。それまでカルダン車の中ではお気に入りだった小田急2200系や京王2010系を凌ぐ程のうるささ。
幼いワタクシの心は一気に魅了されてしまった。

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田園都市線沿線は当時まだまだ開発されてはおらずのんびりとした景色があちこちに広がっていた。
そのため沿線のあちこちでテレビや映画のロケ地として使われていた。
西村知美主演のドン松五郎の生活や、古谷一行らが出演した動物通り夢ランドの舞台にもなり、ブラウン管に映る東急8500系の姿はワタクシの心をワクワクさせた。
その為かずーと東急の中では田舎路線というイメージが強く、今では関東一の混雑路線と聞くと未だに信じられない。

また東急は当時から鉄道博物館を作ったり、グッズ作りもかなり積極的な会社だった。
この電車に乗って、当時高津にあった電車とバスの博物館に通ったっけ。

昭和63年のある日当時東横線のスターだった8090系に8590系なる電車が増備された。
こいつもいつか田園都市線を走るのか?なんて期待した10年後、横浜線の車内から急行水天宮前行きの方向幕を付けて田園都市線デビューしたのには大興奮した。
しかし殆ど活躍しないまま東横線へ一旦引き上げてしまった。
でも数年後には戻ってきたが。
8590系も高校生時代お世話になったのでとても馴染み深い車両だった。

それでもなお田園都市線と言えば8500系であり、田園都市線へ行けばあのモーター音に何時でも浸っていた。
小さい頃読んだ本には東横線での活躍やや大井町行きもあったのだが、実際遭遇した事もなく違和感しか感じなかった。

半蔵門線が押上まで延びて、8500系の活躍範囲は南栗橋まで伸びた。
私用で春日部まで行った時も8500系に乗る事が出来た。
田園都市線よりかはパワーを抑えられてはいたが、堂々と複々線をかっ飛ばす8500系の姿はかっこ良かった。


でも21世紀に入ってから8500系と同世代の電車も次々消えていった。
8500系の兄貴分8000系を始めとして、小田急9000系、5200系、京王6000系、JR201系、203系などなど・・・
身近な路線は殆どの電車がVVVFの音の静かな電車に変わって行った。
かの京王7000系や小田急8000系ですらVVVFとなり、あの音は聞こえない。

そして今の時代、いかにも電車というモーター音を響かせて走っている身近な電車も8500系だけになってしまった。
大井町イモンへ行く時や、田園都市線方面に用事のある時に遭遇すると思わずヤッターと心の中で叫んでしまう。
乗れる時はモーター車に乗りその豪快なモーター音に浸っている。

この音に浸れるのにも終わりがそろそろ見えているのか。
今や田園都市線ユーザーからは、この電車をうるさい、ボロい等と揶揄されている。ワタクシがこどもの頃吊り掛け電車が同じ事を言われていたので、そんな言葉を聞くと悲しくなって来てしまう。
でも時代の流れだから仕方がないのかな。

8500系がなくなったら、田園都市線はただの移動路線になるのかな。

まあ走っている限りこの好きな電車には乗っていたいと思う。