巷では密かに焼きそばブームなのか、雑誌やテレビなどで、焼きそば特集をしばしば見かけるように。今さらブームになるまでもなく、人々に定着した料理ではあるものの、専門店となると確かに少ない気がする。自分の中では「あぺたいと」や「福ちゃん」ぐらいしか思いつかず、ついに主役の晴れ舞台に上がる時が来ているのかもしれない。
メディアでよく取り上げられるお店に神保町の「みかさ」があり、その初代店主が弟子に譲り、自ら店を立ち上げたのがここ。そのため店名に真打と付いているのであり、便乗商法でも何でもなく、正真正銘、真打なのだ。今のところ神保町のお店は連日行列ができているが、こちらは平日夜に待ちなし。駅からもやや離れたひっそりとしたロケーションにあるためだろうか、手前の東京メロンパンの壁にある「おいしい焼きそばあります」の張り紙が目印。
カウンターのみの縦長の店内で、入口脇にはみかさの特徴である製麺機がある。メニューは焼きそばとビールのみであり、かつ丼の「瑞兆」と一緒で、こういった潔さは個人的に好き。
目の前で調理される焼きそばは、ソースの香りで食べる前から食欲を刺激される。鉄板で提供され、やや縮れた麺は様々な食感が楽しめ、ソースとも良く絡みあっていて、野菜やベーコン、目玉焼きがのる具材もボリュームたっぷり。野菜の水分を麺が吸わないように、野菜は麺と別に炒められるところからも、焼きそばに対するこだわりが感じられる。
神保町には訪れたことがないので、比較のしようがないが、今のところ並ばずに師匠的存在のお店で食べられるのだから、こちらで良い気がする。