学芸大学にあり、カウンター6席のみで予約の取れないイタリアンとして、自分の周囲では超絶人気だったレストランが、松見坂へ移転オープンした。残念ながら学芸大学時代には訪問叶わなかったので、天王洲への移転後を狙っていたのだが、天王洲ではなくなり、松見坂に。
松見坂の陸橋脇の細い階段を降りていく、知らなければ通り過ぎてしまうアプローチは秀逸で、ライトアップされて浮かび上がる「cignale」のサインも雰囲気があり、入店前からすでに高揚感を覚える。
店前から感じる雰囲気の良さは、店内にも引き継がれており、期待を裏切らず、記念日ディナー使いにも向くだろう。シェフの仕事がよく見えるオープンキッチンを囲むようにあるカウンター席は、ライブ感が伝わってくる特等席。
料理はおまかせコースで、開始前にシェフが本日の特選素材を目の前に、丁寧に説明してくれ、素材へのこだわりを随所に感じさせる。
マコガレイとホタルイカのカルパッチョからスタートし、佐賀おとふせの牡蠣や稚鮎とタデのフリット、ブイヤベースの魚介系に、メインの仔牛ハラミのカツレツの肉系、ホワイトアスパラガスのカルボナーラの野菜系、いずれのジャンルの料理もレベルが高く、前評判通りの美味しさ。自家製フォカッチャ、クミンブレッドに花山椒のパスタも素晴らしかった。
合わせるワインはフランスワインで、6人で5本のボトルを。どれも料理と合ったマリアージュを楽しめたが、ワイン素人には、ややワインの値付けが高めに感じた。知る人には妥当どころかコスパが良いかもしれないし、あくまでも個人的主観だが。
会計は1人19000円(恐らく料理が12000円ではないかと思う)で、料理と雰囲気を加味すれば、決して高くはないし、チニャーレに対しての評価に揺るぎはなく、また訪れたいと思うのだが、もう少しワインが安ければ、と思ってしまうのは我儘だろうか。