イメージ 1

イメージ 2

劇場公開時に観れなかったのですが、
たまたまTSUTAYAで、このDVDを見つけて借りました。
主人公は市川海老蔵が演じる、並木浩二という大学生です。
(明治大学野球部のエースでした。)
彼は、甲子園・高校野球の優勝投手でもありました。
(野球一筋の裏表のない青年です。)
そして、第二次世界大戦で日本が苦戦していることを感じ、
学生として、軍人(海軍)に志願します。
(六大学野球も戦争の影響を受け、中止状態でした。)
(まして、当時、野球は敵国が発祥のスポーツでしたから。)
いろいろありましたが、並木浩二は
日本の最終兵器の一つでもあった人間魚雷「回天」に乗り込むことを志願します。
「回天」は帰りの燃料や脱出装置を持たず、「一殺必中」で、
敵艦に突っ込んでいく、言わば特攻兵器です。
(人間が兵器の一部になるのです。)
(しかも生きて帰ることは、ありえません。)
死ぬことによって「軍神」になる、
これこそが特攻隊員にとっての最大の目標でした。
だから、「回天」に故障が生じ、出陣できなかった場合は、
「死に損ない」と自分を攻めることになります。
不条理な世界です。
(冷静に考えれば、日本軍は、まさに末期的状況でした。)
(これしか打つ手がなかったのです。)
率直に言って、こんな時代は2度と作ってはいけないと思いました。
どうして、当時の軍部や天皇を含めた国家首脳は戦局を冷静に分析し、
もっと早く適切な対応をしなかったのでしょうか?
そうすれば、広島や長崎に原爆を落とされることもなかったはずです。
本当に辛いです。
「罪を憎んで人を憎ます」と言います。
当時、出撃命令を下した責任者や、実際に殺戮を繰り返した軍人達には
本当に怒りを禁じ得ません。
でも、それは、各個人の判断と言うよりは、時代の流れでもあったのでしょう。
そういう意味では、こうした事実はけして風化させてはならないと感じました。
いつまでも語りついでいかれるべきです。
(たかが60年ほど前のことなのですから。)
「過ちを繰り返しません」と言葉で言うのは簡単ですが、
この裏に含まれた事実は、本当に重たいと思います。
若者にとって、お国の為・家族の為、死ぬことによって役に立てると言うのであれば、
進んで命を捧げてしまうかもしれません。
でも、そうではないと思います。
自分が生まれてきた証を、この世に残すには
前向きに働き、そして生き抜いていくことしかないのです。
僕は、加川良さんの「教訓」という唄が大好きですが、
まさに「命は一つ、人生は一度きり」なのです。
「女の腐ったのでかまいません」と宣言して
生き抜くことも大事なことと信じます。