メリークリスマス!
言い出しっぺのおぺこと中島梓織です!
あだ名だけでも覚えて帰ってください☆〜(ゝ。∂)
遅ればせながら、早稲田大学演劇倶楽部33周年本公演『ERA』無事終演いたしました。
ご来場いただきました皆さま、スタッフの皆さま、エンクラの諸先輩方、この公演に関わってくださった全ての皆さまに感謝申し上げます。ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました。
わたしは、ほんとうに、タチの悪い、言い出しっぺです。
「やっちゃいます?」
のひとことが、これからわたしがしでかそうとしていることが、周りにどれだけ大きな影響を及ぼすことになろうかとは、
「やっちゃいます?」
と言うその瞬間には、まったくもって、わかっていないのです。
「やっちゃいます?」
と言ってしまったことに、後悔したことも、正直、何回も、何回も、ありました。
本来、自由奔放なわたしたちが、ひとつの作品を作り上げるということが、ひいては、「自由」をテーマにした作品を作り上げるということが、どれだけ、難しいことか、苦しいことか、こわいことなのか、
「やっちゃいます?」
というひとことで「やっちゃえる」ものではなかったということが、とても、痛かった。痛かったです。
その痛みを感じていたのは、もちろん、わたしだけではありません。
今回の本公演に関わったすべてのエンクラ員が、多かれ少なかれ、なんらかの痛みを持って、この数ヶ月間を過ごしてきたと思います。
演劇ってもっと楽しいものだと思ってた、演劇ってもっと自由なものだと思ってた、というような、純粋な痛みから、
やっぱり、みんながみんな、最初から最後まで自由であることなんて、無理なのではないか、おのおのがやりたいことをやりたいようにやっていたら、作品は破綻して、「おもしろいものをつくりたい」という最大の目的が果たされないのではないか、というような、色んな方向から押しつぶされてしまいそうな痛みまで、
さまざまな痛みを感じていたと思います。
わたしは、ほんとうに弱い人間なので、みんながみんな痛みを感じていること、そのこと自体が、いちばん痛かったです。
「やっちゃいます?」
と、わたしが言ってしまったことで、どうしてこれだけたくさんのひとが、もかぎ苦しまなければいけないのだろう、と、たくさん、たくさん、後悔しました。
でも、やりたかった。やり遂げたかった。
これは、わたしのただのワガママです。ただのワガママだけど、ただのワガママでしかないけれど、でも、わたしは、やっぱり、このひとたちが大好きで、このひとたちと一緒に、「自由」な景色が見たかった。
このひとたちと一緒に、海に行きたかった。
天才ではないわたしが、なきむしで、おこりんぼうで、ねぼすけ(で、くいしんぼう)のわたしが、エンクラのためにできることを考え続けました。考え続けた末に出した答えは、
みんなが「自由」でいられる環境を「準備する」
ということでした。
「自由にやってください」(自由にやりなさい)(自由にやらなくてはなりません)
という言葉が、どれだけわたしたちを「不自由」にしてきたか、それは、各々の新人公演、企画公演、そして、この本公演で、おのおのが感じていたことでした。
「そんなこと言われても!」
だからこそ、わたしは、ここからここまでは「自由」という、「枠組み」を作ろうと考えたのです。その「枠組み」を作ることが、みんなを「自由」にしてあげられる唯一の方法だし、その「枠組み」を作ることは、言い出しっぺの責任だと思ったのです。
その「枠組み」のなかで、みんながみんな、最大限に「自由」を謳歌できたかどうかは、わたしには計り知れません。わたしは、天才ではないし、ただのなきむしおこりんぼうねぼすけくいしんぼうだし、脚本力も、演出力も、まだまだ、力不足なところがたくさんあります。稚拙なところがたくさんあります。
それでも、エンディングダンスで、全員で、手を繋いだり、手を繋がなかったりして、最後には、その手を離して、おのおのが、おのおのの空を仰いだとき、わたしは、「これがわたしたちの出した答えだったんだな」と、自分勝手に、思いました。
思えました。
正直、手放しに喜べる公演ではありませんでした。バンザイはできませんでした。みんな、痛かったし、苦しかった。エンクラの課題、自分自身の課題、それぞれ、たくさん、見つかった公演でした。
でも、これだけは、言い切れます。
「やってよかった!」
たくさんのひとに、いまのエンクラの姿を見ていただけて、ほんとうによかった。わたしたち自身が、いまのエンクラのいいところ悪いところに、真っ正面からぶつかることができて、ほんとうによかった。
楽しかったし、楽しんでもらえて、ほんとうに、ほんとうに、よかった。
タチの悪い、言い出しっぺなので、なんだかんだ、「やってよかった!」と言い切ります。
やってよかったです。ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました。
これからも、エンクラは変わっていきます。これまで、変わってきたように。いま、変わっているように。これからも、変わっていきます。
どうやって、変わってきて、変わっていて、変わっていくのか、
見ていてください。
そして、本来、自由奔放なわたしたちが、また再び、「自由」という名の大海原に放たれて、どうやって泳ぎ回っていくのか、
見ていてください。
また、どこかで、お会いできる日を楽しみにしています。
ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました。
言い出しっぺ
中島梓織(茨城県出身)