果てしなく続く芸能界の事件・事故…関心持つべき事件を隠す懸念も
現実が厳しいからだろうか、それとも社会的に関心を持つべき大きな事件がないからだろうか。韓国社会が有名人のプライベート写真1枚に騒ぎ、あらゆるスキャンダルに敏感に反応する、センシティブな社会になった。彼らと関連した裏話が、連日韓国社会を騒がせているのだ。
薬物服用、結婚、離婚、整形など、有名人と関連した様々な事件・事故は、好きでも嫌いでも、いまや私たちの生活と無関係ではなくなった。連日のように降り注ぐ関連記事は、他のところへ目をそらすことすら難しくしている。芸能界のニュースの裏に隠れてしまったその他のニュースたちは、どれだけ大きな事件でもちっぽけに感じられるほどだ。
事件が続く昨今だが、やはり最大のホットな話題は俳優パク・シフのスキャンダルだ。佳境に入っている彼の関連記事は、連日ポータルサイトのトップを飾っているが、時々刻々新しい情報が加えられている。事件の当事者の両側から流れる話は、嘘か真かわからない状態で広まっている。まるで、まだ結末の出ていないマクジャンドラマ(※日常では起こらないような出来事や事件が次々と起きる韓国特有のドラマ)を観ているような気までする。
彼に関する新しい記事は、掲載されるやいなや多くのコメントが付けられる。犯罪の成立有無への推測が、主な内容だ。有名人であれそうでなかれ、犯罪行為への処罰は必至だ。しかし、今のように大衆たちが記事のコメントで犯罪の有無に対する攻防を繰り広げることは、明らかに消耗的でフェアではない。まだ判決はくだされておらず、何が真実かさえ明らかになっていない事件が大衆から断罪からされることは、どこか間違っているのだ。
さらに大きな問題は、様々な事件に関連した有名人の記事の内容から、多くの推理が生み出されることだ。事実とは全く関係ないかもしれない様々な推測は、最新記事が掲載される度に他の方向へと拡散されたりもする。その中で、関連した人達の人権は全く保護されないのだ。さらに時には、全く関係ない人物の身元まで暴かれることまである。いわば、“知る権利”という絶対権力なのだ。
このような類の状況で、風説は横行する。出典知れずの様々な情報がネットを炎上させたりもする。怖いのは、それがどのような経路で、とのような意図から生まれているのか全く調べる術がないことだ。真実である可能性も、そうでない可能性も、罪のない被害者を作ったり、或いは一歩間違えば犯罪者を擁護することもあり得るため、憂慮に値する。
しかし苦々しいのは、いつもそうだったように、事件への関心が薄まる頃には、また違う事件がそれを覆ってしまうだろうことだ。ちょっとした推理小説を彷彿とさせる今回のパク・シフ事件に対する世間の関心も、結末も確認する前に終わる確率が高い。どこから教訓を見いだせばいいのかもわからない、ただ世間の噂になるだけで留まってしまう有名人の事件は、これまでもそうだったように絶えず世の中を騒がせるだろう。
ドラマよりさらにドラマチックで大衆の大きな関心を引くことになる特定の事件が、韓国社会を引き続き染めていく限り、その影の下まで日差しが届くことを期待することは難しい。私達と最も密接な関係を持ち、最も関心を注がなければならない何かが覆われているかも知れないという懸念。それがただの杞憂に過ぎないことを望む限りだ。
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kstyle記事より