通貨ペアの位置取りを示す 『レートレベル』 という考え方につき、これまで幾度か、ここに記してきました。
過去10年間の高値・安値を基準にすると、週末時点のクロス円のレートレベルは:
米ドル円は中間値を若干上回ったところ(55.14%)に、土リラ円は安値圏(11.81%)に、それぞれ位置してます。
これらの値や評価は、10年前と今日とで各通貨の価値に変わりがないことを前提にしています。
人類や国家の歴史にとって、10年間など束の間で、その間の変化など無視しても差支えない…とも思えますが、通貨価値については、そう言い切れるものではありません。
たとえば、土リラ円の変動を見てみると
ここ25年余りで、レートは、なんと 1000分の1
まぁ、これは極端な例で、一般的には、一時的な人為(政策・外交など)的操作が加えられることがあるものの、各国の盛衰を反映した通貨価値の強弱は、ひとつのトレンドとして現われます。
詳細は省略しますが、線形回帰直線を用いて、そのトレンドを算定し、チャート上にレートレベル線と現時点のレベル値を示すインディケータを作ってみました。
使用するデータ期間の選定により線形回帰直線(トレンド中央線)は異なりますが、米ドル円(90年3月から)、土リラ円(02年1月から)に適用してみると
米ドル円 月枠
55.14% → 74.08% に補正、長期トレンドは 『下降気味』
土リラ円 月枠
11.81% → 53.46% に補正、長期トレンドは 『急降下』
となります。
こちらのレートレベル評価の方が、精度は高いだろうな…と思います。
土リラ円は安値圏で下値は限定的…という判断は危険かも
さてさて