かつて世界を制した英国の衰退後、政治・経済の中心は米国に移り、現在に至っています。
ただ、その米国にも陰りが見え始め、次は中国が主役を演じることになるんでしょう。
まさに、栄枯盛衰。 盛者必衰のことわりをあらわす。
それは、それとして、
サブプライム問題に端を発した金融危機は、世界の経済(通貨)にさまざまな影響を与えてきましたが、なんたって主役は震源地である米国(米ドル)。
2007年6月から、米国(米ドル)の一挙一動、一進一退に、右往左往・一喜一憂してきました。
しかし、2009年12月以降、震源が欧州の財政問題に移りました。
これをチャートで見比べてみると、
金融危機の震源地である米ドルは、約2年半にわたり、その通貨価値を下降させ続けましたが、ユーロ米ドルは大きなボックス相場になってます。
興味深いのは、欧州の財政問題が明るみに出てからの米ドル円の動向です。
下値を切り上げつつも、見事なまでの(?)小動き。
このチャート比較は、相場の注意が米国から欧州へ移ったことを物語りつつ、いくつかのことを示唆しているように思えます。
ユーロ危機は、まだまだ続く
問題の深度によりますが、ユーロ危機が顕著化してから、まだ6ヶ月あまり。
今回の震源は欧州であり、そこから生まれたトレンドは、そう簡単に転換することはありません。
5月のユーロ米ドル暴落は、昨年12月からの助走が引き起こした最初の崩落。
最近は、その後の小幅なリバウンドを示しています。
危機は継続する・終焉に向かうと、見解は分かれていますが、『継続』と思っています。
米ドル円の底は浅い
21移動平均線でキャップされていることからも、今の『切り上がり支持線』の有効性には、大いなる疑問を持っています。
時折、欧州からの飛火で値崩れがあるでしょうが、基本的には、相場の注意がすでに欧州に移っていることから、米ドル円の底は限定的。
理想的な(?)展開は、下値85円付近のWボトムを形成後、本格的な上昇に向かうというものです。