2日の米・雇用統計発表後のドル円為替動向、
やっぱり、おかしい。
3月非農業部門雇用者数変化は、19.2万人から引き下げられた予想18.4万人より、さらに悪く16.2万人。
それを素直に反映し、ドル円は、瞬時に40銭ほど、93.5円付近まで急落。
ここまでは、通常の姿。 ところが、
ADP全国雇用者数が予想より悪かったときと同じく、どこからか大量のドル買い・円売りが持ち込まれ、あっという間に94.5円越えまで急上昇。
その背景として、民間部門の雇用大幅改善などが挙げられているけど、これは上昇した事実に基づく、後付け事由。
同時に発表された失業率を見ても、小数点1桁では9.7%で変わらずだけど、正確には、前回の9.687%から9.749%へと悪化を示している。
この9.749%という数字も、かなり怪しい。 あと、0.001%大きければ9.8%になり、明らかな失業率悪化を示してしまうもの。
ドル円とポンドドルとには、何か特別な事情があるに違いない。
為替の暴落が実体経済へ及ぼす悪影響を最小限にとどめるため、暴落をできる限り吸収・緩衝するため、「今の内に吊り上げておきましょう」という合意の裏にある事情。
その事情を引き起こすトリガーとは、どんなイベントなのか?
そんな視線から、中国人民銀行(中央銀行)が2日に発表した『世界の金融市場に関する報告書』を読んでみると、当てはまりそうな節が見られます。
欧米銀行のまだ表面化していない巨額な不良債権が、世界経済の脅威になる恐れ
米国と英国を含む一部主要国のソブリン信用格付けが引き下げられるリスク
この他には、米・債券市場と長期金利動向、米・為替報告書における『中国の為替操作国認定』、中国のバブル崩壊、などがあげられますが、
もっとも気になるのが、『人民元切り上げ』 です。
今や世界経済の牽引国、世界最大の米国債保有国となった中国。
中国がくしゃみをすれば、世界中が震え上がる経済事情。
米中関連の事項に、急激なドル安・円高を引き起こすイベントが含まれているように思えてなりません。
それも、それほど遠い話ではなくて。
【補記 4日23時】
関連する2つのニュースが伝えられました。
① 温首相と菅財務相との会談
人民元問題について、賢明な判断を期待
② 米財務省 為替報告書の公表を先送り
中国が為替操作国に当たるかどうかの判断を先送り
さてさて、どうなる