ちょっと記事のアップをサボってしまいました
今回は、『トレール(トレーリング)・ストップ』について、思っていることを綴ってみます。
私自身の中で、「FX は、攻めて勝つものではなく、守って勝つもの」という戒めがあります。
大きな企業や組織、もしくは、大資本が繰り広げる大軍・近代兵器による激戦相場の中に、裸同然の姿で、単身、勇んで乗り込んでいっても、名も無く消え去っしまうのは、明らかなように感じているからです。
ただ、戦禍をできる限り避け、優勢な側に便乗するだけで、個人としては十分な果実を得られるとも思っています。
大切なことは、この「戦禍をできる限り避ける」こと、すなわち、「怪我(損失)を最小にする」こと。
その手段の一つとして、損切り(ストップ・逆指値)の設定がありますが、それをひと所に固定させず、状況に応じて修正してゆくトレール(トレーリング)・ストップは、さらに有効です。 また、利穫レートやその値幅を予め設けず、それは伸びたいだけ成長させておいて、損切りレートで利穫を行うということも考えられます。
マニュアル・トレートでも、成約時にトレール・ストップを設定できる業者さんは増えてきました。
現行レートと損切りレートとの最大幅を決めておき、レートが意図した方向へ動く分に応じて、損切りレートも追従してゆくものです。 いったん移動された損切りレートは逆戻りすることはありません。
システム・トレードですと、さらにさまざまな種類のトレール・ストップ手法が考えられていますが、それらは大きく2つに分類することができます。
ひとつは設定値に基づく手法、もうひとつはテクニカル指標の数値に基づく手法です。
設定値に基づく手法の例を挙げてみますと、
・ 現行レートと損切りレートとの幅を初期の値に保つ手法
これはマニュアル・トレードのトレール・ストップと同じもので、例えば、買いポジションの約定時、損切り幅を20pipsと設定した場合、10pips現行レートが上昇した時、損切りレートも併せて10pips上昇します。
・ 設定した利穫幅に達したら、損切りを約定レートに移動する手法
現行レートと約定レートの差が設定した利穫幅に達した時、損切りレートを約定レートに移動することで、その後、損失は発生しなくなります。
・ 現行レートと損切りレートとの幅を設定の値に保つ手法
例えば、買いポジションの約定時、損切り幅を20pips、現行レートと損切りレートとの幅を30pipsと設定した場合、現行レートが10pips上昇しても損切りレートの変更はありませんが、20pips上昇した時、損切りレートは10pips上昇します。
・ 現行レートと損切りレートとの幅を段階的に設定した値に保つ手法
利穫幅に応じて、現行レートと損切りレートとの最大幅を変更してゆきます。 例えば、利穫幅が30pips、40pips、50pipsの時、その最大幅を、それぞれ30pips、20pips、10pipsとし、利穫幅が50pips以上では常に10pipsを維持するようにします。
テクニカル指標に基づく手法の例を挙げてみますと、
・ 移動平均線の値を使用する手法
・ トレンドラインの値を使用する手法
・ パラボリックSARの値を使用する手法
・ ボリンジャーバンドの値を使用する手法
これらテクニカル指標に基づく手法は、損失を最小化するというよりは、利穫値を最大にする目的で使用されます。
トレンド系テクニカル指標は値動きの方向に応じて変化してゆき、そのブレイクをもってトレンドの変更と考えられます。 この性質を使いますと、ブレイクが現われるまではトレンド継続ですので、テクニカル指標の値を損切りレートとして利用することで、利穫幅をトレンドに沿って追跡してゆくことができるのです。
これらの手法は、もちろんマニュアル・トレードでも可能ですが、状況に応じてその都度、損切りレート(逆指値)を設定し直してゆくのは手間の掛かることで、ズボラ人間の私には、システム・トレードはありがたいツールです。
いずれにしましても、損失を最小限に抑えて、FX を楽しみましょう