FXを始めた頃、「ウォールストリートでは、年率10%の益を出せるトレーダーをプロと、30%を生める人を天才と呼ぶ」という話を聞いて、「そんなの簡単じゃん!」と思ったものです。
確かに、ちょっと運がいいだけで、本給を上回る益を、ほんの数時間で得られたこともありましたし、眠っている間に指値注文が成約・決済なんてことも、しばしばでしたから。
しかし、トレードを重ねるにしたがい、大怪我を何度か味わうにしたがい、FXの難しさを痛感するようになりました。
「FXで確実に儲ける方法は、FX会社を営むか、各社のキャッシュバック・キャンペーンをかき集めることだ」といったブラック・ジョークのような話に、思わずうなずいてしまいます。
一歩、退いて、FX環境を考えてみると、
世の中には、会社存続の使命を帯びた投資企業があり、生活を賭けた本業の個人投資家がいて、日夜、必死の思いでFXに取り組んでいます。 その上、先に挙げたFX会社も、自らが生き残るために、さまざまな操作を駆使して収益を上げなければなりません。
市場自らが原資を増殖することはなく、誰かが取れば、その分、誰かが失う仕組み。 『椅子取りゲーム』か『ババ抜き』みたいな世界です。
そんな世界で、転覆せずに漂流し続けようと思えば、
・ 悪天候の海原に無理して漕ぎ出ないこと。
・ 岸から遠く離れることなく、こまめに港に寄り、海岸沿いを進むこと。
・ 潮の流れに逆らわないこと。
・ 天気予報より、目の前の海面や風向きを重視すること。
などが大切なように感じています。