今回講師を務めていただいたのは中部ろうさい病院リウマチ膠原病科の藤田芳郎先生で、テーマは「低Na血症」でした


個人的に電解質異常や輸液というのは、様々な参考書を読んだり、講義を聴いてもなかなか頭に残らないため苦手としているので、今回のレクチャーを大変楽しみにしていました

そんな中、「マラソン後の意識障害を主訴に来院した若年女性」を適切にマネージメントするという流れで教えていただいた今回のレクチャーはとても実践的で期待通りの頭に残る内容でした

特に藤田先生の「用語」に対するこだわりは印象的で、『脱水』や『溢水』という曖昧な用語ではなく「何が増えているか」明確にするため『脱Na』、『Na過剰』、『(細胞内)脱水』、『水過剰』という用語を使われたり、長年使われている『抗利尿ホルモン』といった原理を考えると誤解を生じやすい用語に関しても『水吸収ホルモン』という極めてシンプルな用語に置き換えてくださったのでとてもわかりやすかったです

また、随所にClinical Pearlを盛り込んでいただいたのも大変嬉しかったのですが、個人的には何より「3%食塩水を1ml/kg静注すると、血清Naは約1mmol/l上昇する」というご自身のpearlを計算で証明しようとされた際に、計算式が複雑になり、「ところでpearlは何だったっけ?」と仰られたのが藤田先生のお人柄を表していて面白かったです


こんな素敵な先生が面倒をみてくださる中部ろうさい病院の研修医はとても恵まれた環境ですね

藤田先生、この度は素敵なレクチャーをありがとうございましたm(_ _ )m
p.s. 少人数で濃密な時間を過ごさせていただいた懇親会では、宮崎からのDr. Aokiの電話に30分近く席を立たれる場面もあり、噂に違わぬ熱々ぶりを垣間みさせていただきました

ちなみに内容はDr. Aokiがその日に挑まれた検討会で”当てられなかった”症例の話だそうです(笑)
[場所] 東京医科大学西新宿キャンパス 第1研究教育棟4階 第2講堂
[参加メンバー] 上杉(PGY1)、児玉、張、東邑、中野、藤巻、松本、石上、山口、德冨、高須、新名
こだま