真夏は夜10時頃まで明るいロンドンです短くて、長い夏の夜をどう過ごすか
いろいろ楽しみはありますが、その中でも毎年私が楽しみにしているものの一つが、毎週土・日の夜に開かれるピクニック・コンサート、つまりピクニック、お弁当やワインを楽しみながらの野外コンサート。
いろいろな場所で開かれますが、私がよく行くのはテムズ川沿いの会場。ジョージ二世の愛人が住んでいた瀟洒な白い建物が夜はライトアップされます。そのお庭にステージを設置します。会場は金網の柵で囲まれていますが、場外(無料!)で充分。
どちらかというと、ロンドン市内では北にあるケンウッドハウスのピクニック・コンサートの方が有名のようです。ハムステッド・ヒース(自然大公園?)の北の端にあるこの建物はマンスフィールド伯爵の邸宅でした。中は絵画館となっていて、イギリスの有名な肖像画家の作品もあります。今人気沸騰のフェルメールの絵も1点。 その裏手にある池の向こう側にステージが組まれて、観客は建物側にあるスロープで聴きます。ここも有料と無料席あり。しかし、広すぎて演奏家と観客との一体感が感じられないので、私はあまり好みではありません。
その昔、夜食事の後で、日比谷公園の脇を歩いていたら、何やら音楽が。野外音楽劇場で何かの演奏会があるようです。友人と私は、柵にもたれて何気なく聴いていましたら、内側の巡回係りが、「離れてください!」と言われてしまいました。 野外コンサートですから、多少音が外に漏れるのは当たり前なので、どの程度離れていいのか、ちょっと戸惑ってしまったのです。しかし、その時は一般的な日本人の反応として、「じゃぁ、入場料払わなくちゃ聴いてはいけないのね。」と素直に去りましたが、ちょっと釈然としないものが。そして、イギリスに来て、やっぱり日本はケチねと思った次第なのです。
さて、こちらの入場料は25ポンドくらい。演奏会用のホールでなら、そんな料金でも構わないのですが、野外コンサートですもの。雰囲気を楽しむものですから、私はいつも場外。折り畳み椅子やテーブル、敷物等を持ち込んで、その上にいろいろご馳走を並べます。 といっても、スーパー・マーケットの調理済み食品でもいいし、ご自慢のお手製サンドイッチでもいい。余裕のある時は、私は日本人ならではの巻寿司。そして忘れてはならないワイン等の飲み物
食料品等は、ピクニック・バスケットに詰めます。籐で編まれた小さな旅行カバンみたいなもの。お皿やカトラリーが収まるように、内部にバンドがついているものもあります。若いイギリス女性のあこがれなのです。
9時頃近く、さすがにうす闇が広がりだしますと、小さな容器に入ったロウソクを灯したり。家族連れやカップル、カジュアルな雰囲気の中で、クラシック音楽やロックを楽しんでいます。特に、子供達は音楽に合わせてダンスをしたり。お行儀よく座っていなくてもいいというのが子供達にとっては、かえってよい音楽鑑賞の機会になるのではないでしょうか。 クラシックは、威儀を正して聴くものという観念、日本もそろそろ変えて欲しいと思いませんか。