アメリカに現在住んでいる筆者の視点から、日本の人種差別的行動の根底とさらに、白人びいきの日本の実態を探っていきたい。
日本人として産まれた人達は、おそらく皆何かしらの人種差別的な視点を持っているのではないだろうか。それを表には出さないが、内面的には「やっぱり外国人だからねー」と思うことが多いと思う。この思想の根底はどこから来るのか考えたときに、私は、この思想は「人とは違う」ということを良くない事だと考える日本人の社会的な構造にあると考える。つまり、人は生まれながらに人種差別的な行動をとるのではなく、育った環境によって形作られるのである。
アメリカに来てからというもの、人種というものは人間を形作るものになる。日本で育ってきた日本人であれば、一切感じないようなことが感じられる。それ故に、過去の経験を思い返してみれば、あれは人種差別的だったな、と思い至る経験がいくつかある。例えば、学校には必ず2-3人のハーフの子供がいた。これらの子供の多くの両親のどちらかは、東南アジア出身であった。肌は黒い子供が多く、目も大きく、明らかに日本人とは違うことがわかる。これは、見た目だけでなく行動にも表れる。ハーフの子供たちの多くは、日本人であり、日本語しか話せないが、その見た目や行動の差異により「何か違う」というレッテルを貼られる。
さらに大変なのは、外国人の子供だ。日本の社会に馴染むための機微というものがわからないために、永遠になじめないのだ。例えば、インターナショナルスクールに通う子供は普通に日本の学校には戻れない。と言われたと告白されたことがある。私が小学校の時に転入してきた女の子は、アメリカ人であったが、白人ではなかった。彼女の親戚はどうやら日本人らしいが、彼女の見た目はどうみても外国人であった。彼女は学校になじもうと、苗字を日本人に変えたりしていたが、どう考えても文化が違いすぎた。彼女の誕生日パーティーはアメリカそのものだったし、何もかも違うので、日本社会に一切馴染めずに最終的にはアメリカ軍基地内の学校に転校してしまった。
これは、本当にかわいそうな例だと思う。今考えてみれば、彼女の両親はおそらく、せっかく日本に来たのだから、日本の教育を受けてほしいし、学んでほしいという、日本について学びたい!のようなポジティブな姿勢から始まったはずなのに、それを全面的に無下にしてしまったといっても過言ではないと思う。これは、やはり日本社会の「違う」ということを受け入れない姿勢にあるのではないかと思う。
そして、この「違う」を受け入れない姿勢は実際に日本人の中の社会になじめない人たちの原因になっていると考えられる。日本人の中でも「空気読めない」で苦労している人は多い。いじめの原因も空気が読めなかったなど、とても抽象的な原因が多い。
つまり、日本人は単純に「違う」ということを良しとしない文化、社会的構造であるために、外国人を結果的に受け入れられないという事になる。これは、人種差別というよりも、社会的な文化に問題がある。そして、これが変わることはおそらくないと思われる。そのため、外国人も日本社会に溶け込むことは大変難しい事であると考えられる。
では、人種差別はどこから?
本当の意味の人種差別としては、白人を優遇する日本の社会にあると思う。何故白人は良くて、黒人は人気がないのか?その理由としては、アメリカの影響にあると考えられる。第二次世界大戦後の日本は、アメリカに大きく影響され、文化が流入してきた。娯楽として、ハリウッド映画、ドラマ、音楽、ディズニーなどのに日本にが触れる機械が著しく増えた。そして、これらの娯楽は白人ばかりのものであり、黒人やそのほかの人種のものが流入することはとても少なかった。そのため、白人が優遇される結果となった。
アメリカの社会の人種優劣は白人が上位に位置している。近年では、人種差別は減っていると社会的に考えられているが、実際はそうではなく、隠れた人種差別が増えている傾向にある (Bobo1998)。1986年にアメリカの白人にアンケートをとったところ、74%の人が学校、会社などの人種統一のサポートに消極的だあると述べた。驚いたことに、この数字は1964年の方が10%も低い。それとは反対に、人種別による隔離をやめるべきだと考える白人は1964年のアンケートから30%も上昇し、93%になった。この事実から、白人は、やめるべきだと考えながらも、それを実際になにかアクションに起こそうとは考えていないことがわかる。これを「サブトル差別」という。
この表層に露出しない人種差別は、日本においても当てはめることができる。例えば、Youtubeビデオにおいてのインテビューについて、このユーチューバーはとても繊細な問題について話をしており、日本人の女性に黒人と付き合うことができるのか。という質問を町で行っている。このビデオのモチベーションは、黒人からのコメントで、「日本人の女の子は黒人とはデートをしたがらない。付き合いたいと思わない。」という意見が根底にある。このビデオの中で質問をされた女性は皆「黒人と付き合える」といった回答をしている。しかしながら、その誰一人として付き合ってはいないという事実と、実際に黒人と日本人のカップルが少数である事実、日本在住の黒人からの意見、そして、白人優勢の日本社会から考えれば、黒人が受けている印象はどちらかと言えば、社会的構造における影響と考えられる。これは、「サブトル人種差別」に近いと考えられる。表層面においては、自らの教養のため差別的な発言をしないが、実際にはどうなのだろうか。この難しく、隠された人種差別はアメリカの影響のもとであることが考えられるなぜなら、先に述べたように、白人至上主義社会のアメリカの影響を色濃く受けているからである。
本当の人種差別というものは、人種間において、ヒエラルキーを作る社会にある。そのため、日本の文化ともいえる「違う」ということを許さない傾向は、日本人の中にもあてはまるため、人種差別にはあたらないのではないか。