僕が好きだったもの。

五つの色。

それは一つずつなくなって、今は三つ。

 

赤青緑。

 

最初は黄色。

次に紫。

黄色はフワフワしてて見ていていつも不安だった。

そしたらいなくなってしまった。

好きだったかと聞かれたらすぐにはうんと言えないけれど、好きになりたかった。

だから時間が欲しかった。

帰ってきてほしかった。

五人で歌う色が見たかった。

 

それから四つ。

四つはたくさん頑張った。

心に響く絵を描いた。

でも紫色も消えてしまった。

四つの色で描いた航海図。

もう見れないのはとても悲しい。

 

今は三つ。

今も大好きな色だけど三つの色じゃ描けない絵がたくさんある。

いろんな絵を見せてくれるけど、僕にはその絵が色褪せて見える。

黄色や紫、赤青緑。

たくさんの色があるから輝く絵になっていたのかな。

最近は構図も同じに見えてきた。

おんなじことを繰り返している気がする。

でもみんなはいい絵だって言ってるね。

僕はもうこの絵を理解できないようだ。

 

僕が好きだったものは一体なんだったんだろう。

僕は本当に色が好きだったのか。

その色で描く絵が好きだったんじゃないのか。

それともそれを描いた人が好きだったのか。

はたまたその絵を好きだと言っている人たちが好きだったのかもしれない。

僕が好きだったものはどこにいったんだろう。

本当はどこにもいっていなくて僕が見失っているだけかもしれないけれど。