日経テクノロジーOn line
「これからのものづくりにおける品質保証と価値保証」

他の手法と融合した7つのQFD(2015/08/27 06:00)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/406881/082500001/

マネジャーのための業務の見える化とQFD(2015/09/04 17:30)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/406881/090400002/

QFDトレーニング方法の進化(2015/09/10 00:00)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/406881/090800003/

「品質の明日」コラムで品質機能展開(QFD :quality function deployment)の最近の動向を全3回で紹介されていました。
 QFDは記事中でも
「開発製品に対する顧客の要求を分析し、これを設計仕様に変換することで高品質な製品を効率的に開発する優れた手法」
と紹介されていますが、僕自身も非常に優れた手法だと思っています。

 僕が関わっている企業で「QFDを使って整理してみたらどうでしょう?」と提案をすることもよくあるのですが・・・過去にどんな経緯があったのかは分かりませんが、QFDについてご存知の方からは「いや・・・QFDをするのはちょっと苦手で」という意見を聞くことが多いです。

 面白いことに「マトリクス表」で表現してみましょう。と提案して一緒に作業をすると、出来た成果を大変喜んで頂けます。この成果は、実はQFDで作成する二元表そのものなので、QFDの成果自体は、価値あるものだと思っています。

 このような優れた手法であるにも関わらず、なぜ苦手意識が生まれるのか。
こちらの記事でも幾つか「QFDを実践する難しさ」の要因が書かれていますが、僕も多くの技術者と協議をしてきた経験から見解があります。

1.記事にも書かれていますが、QFDでは、記述による表現がどうしても必要になります。自分自身もそうなのですが(笑)、技術者は文章表現が苦手です。
 理系は文章よりも形状のイメージで思考することが多いのかも。イメージを文字に直すことを苦痛に感じることが多いようです。

2.技術者は、記述表現をすることも苦手なのですが、、記述表現を階層化することも苦手です。理系頭脳は、「数式」「単位」など厳格に定義されるもので階層を構成することに慣れているので、記述というあいまいなものを階層化すると悩んでしまうのです。
 国語の長文問題で要旨/要約を作成するのが苦手というのと同義ですね。

 「QFD=品質表の作成」と理解されている場合、苦痛の作業が直結してしまうのが苦手の要因なのではないかな。と思います。


 僕が二元表の作成を支援させていただくときは、この苦手意識の2点を回避できるように配慮するようにしています。
ひとつは記事でも記載されていますが、目的を明確にすること。もうひとつは、支援させていただく開発に合わせて、言葉の抽出ルールを策定することです。
 しかし、苦手意識を回避するための配慮は、製品や設計習慣によって変わってくるので、「これ!」と明確に定義することが難しい。そこがQFDの難しいところではないかなぁ。

 二元表はあくまでも、分析をするための可視化作業に過ぎません。技術者が悩み、考える作業は得られた結果を分析するために使いたいですよね。
 改めて、さくっと設計者が二元表を作成できる汎用ルールを検討してみよう。と発起させる記事でした。。。

KEN