MONOist (2014年12月12日 18時43分 更新)
「人とくるま展2014名古屋:燃料電池車「ミライ」に人だかり、搭載部品も多数展示 」
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1412/12/news145.html

例年は5月に横浜で開催されている「人とくるまのテクノロジー展」ですが、今回は名古屋で開催されました。
 本当は会場を訪問したかったのですが、こんな時に限って名古屋周辺の仕事がなく、わざわざ見に行く時間もなかったのですが・・・
開催地のお膝元となるトヨタブースでは燃料電池車「MIRAI(ミライ)」とその部品が公開されたようで、記事を読んで残念な思いをしました(;;
 
 なぜ燃料電池車が注目を浴びるの?
 そもそも燃料電池車って何?

 という素朴な疑問を持たれる人もいるかと思うので、今回は燃料電池車を含めたエコカーの分類を整理してみたいと思います。

 プリウスなどに見られるハイブリットカーを筆頭に環境に優しい「エコカー」が、ずいぶん普及してきました。
エコカーにはずいぶん種類があるように思いますが、大きく分けると今のところ3つだけ。

1.EV(Electric Vehicle/電気自動車)

 その名の通り、電気で走る自動車。走行時にCO2を排出しないので環境に最もやさしいと言われています。
 現在の主流は、携帯電話と同じように電気を燃料電池に充電して使用する二次電池式電気自動車。家庭用電源でも充電できるし、エネルギー効率が高いことがメリット。
 しかし、ガソリン車と比べると充電時間がとても長く、1回の充電で走れる航続距離も短めになるなどのデメリットも存在します。

 国内メーカーから販売されている車種は、富士重工業「プラグインステラ」
三菱「i-MiEV」、日産「リーフ」などがあります。


2.HV(Hybrid Vehicle/ハイブリット車)

 電気とガソリンなどを状況により使い分けて走る自動車です。
トヨタのプリウスやホンダのインサイトなどが代表であり、両メーカーは様々な車種で採用を増やしています。
 最近は、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle/プラグインハイブリット車)と呼ばれる家庭用電源などで充電もできるハイブリット車が発売されてきています。そうするとガソリンを使う頻度が減るので、よりエコということですね。

 
3.ガソリン/軽油車

 ガソリンや軽油など、従来と同じ燃料を使いながらも、極限まで燃費向上を図った車です。
 第3のエコカーとか、クリーンディーゼル車(CDV)と呼ばれている自動車がこの分類になりますね。


 この3つに分けた中で、燃料電池車は電気自動車に分類されます。

■燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)

 燃料として充填した水素と大気中の酸素を化学反応させてできた電気が動力源。
その電気でモーターを動かして走ります。
 また、水素と酸素の化学反応なので、生成物はただの水。使用時のCO2排出量はゼロです。
水素の補給は3分程度で、ガソリン車と同等かそれ以上の航続距離を走れます。

 なんだか素晴らしいことばかりの「未来の車」という感じですが、燃料となる水素を提供してくれるステーションが、まだほとんどありません。
 それとまだまだお値段が高い。今回展示されたミライは700万円強もします。

 それでも販売できる段階まで開発できたことはすごいと思います。
 技術的な話を少しすると、、、
「水素」には「水素脆性」という特徴があります。
鋼材に水素が吸収されると、その強度が非常に低下してしまうという現象。
現在の自動車には鋼材が多数使われていますから、そのままの構造では、走行中に水素脆性で破壊されてしまう部分が数多くでてしまいます。

 ミライでは、これを回避するために、炭素繊維強化樹脂(CFRP)が使われているようです。
燃料タンクとなる耐圧容器。水素の供給装置。
 その辺の構造は、従来にない素材と構造を採用しているに違いなく、技術者の興味・関心を惹きつける点ですね。

 やっぱり見たかったなぁ。。。

KEN