Fonte(不登校新聞)の記事に早期介入やこころの健康基本法について特集記事が載っていました。
http://www.futoko.org/news/page0201-2233.html

 


 

こころの健康基本法制定に向けた一連の動き

 

 

・     1998年1月、小泉厚生大臣が訪豪し、両政府間で「日豪保健福祉協力」が発表された。

 

・     2001年~2007年を日豪保健福祉協力の第二フェーズとして「精神保健」がテーマになり、国立精神神経センター精神保健研究所所長を代表者とする共同研究チームが編成された。

 

・     2007年度、厚生労働省の科学研究費により「思春期精神病理の疫学と精神疾患早期介入方策に関する研究班」が立ち上がった(主任研究者:岡崎祐士 東京都立松沢病院長)

 

・     2007年11月28日~12月2日、WPA(世界精神医学会)がメルボルンで開催された。

 

・    2008年1月、国立精神神経センター精神保健研究所は、メルボルン大学精神医学部門准教授のChee Ng(チー・アン)博士を日本に招聘した。いくつかの精神医療機関や、厚生労働省精神障害保健課、日本精神神経学会、日本精神科病院協会、国立精神神経センターそれぞれの幹部とミーティングを開き、日本の精神保健改革について提言をした(主に地域精神保健システムの強化・改革)。以後、基本的にこの提言に沿った精神保健戦略が進められる。特に、モデルケースを作り、それを全国に広げるという形態が強く押されている。

 

・    2008年4月11日、国立精神神経センター総長樋口輝彦氏を座長とする、厚生労働省による「今後の精神保健医療福祉に関する検討会」が始まる。さかんにオーストラリアの早期介入や地域精神保健、メンタルヘルス教育が取り上げられた。

 

・    2009年9月24日、上記検討会が報告書を出した。

 

・    2010年4月3日、長妻昭厚生労働大臣の呼びかけにより、岡崎祐士氏を中心メンバーとした「こころの健康政策構想会議」が発足した。

 

・    2010年5月28日、「こころの健康政策構想会議」が長妻厚生労働大臣に対し、精神保健・医療改革の提言を提出した。

 

・    2010年5月31日、厚生労働省で岡崎氏や西田淳志氏らを構成メンバーとした「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」が発足。地域精神保健改革に向けて検討を始めた。現在も検討会が開催され続けている。

 

・    2010年7月25日、「こころの健康基本法」の制定を目指した「こころの健康政策構想実現会議」が発足した。

 

・    2010年9月、国立精神神経医療研究センターは、メルボルン大学との「メンタルヘルスプログラムにおける協力関係に関する覚書」を締結した。

 

・    2010年10月3日、こころの健康政策構想実現会議主催の国民フォーラムが開催され、この日からこころの健康基本法制定を求めて国会に提出するための100万人署名運動がスタートした。

 

・    2010年11月、国立精神神経医療研究センターは、上記覚書に基づく具体的な協力関係を築くため、豪州に訪問協議をした。

 

・    2011年2月、国立精神神経医療研究センター関係者が、上記覚書に基づき、アジア太平洋コミュニティメンタルヘルス開発計画会議に参加した。

 

・    2011年7月31日~8月4日、メルボルン大学で第三回アジア精神医学会議が開催された。

 

・    2011年10月31日~11月1日、「国立・精神・神経医療研究センター・メルボルン大学合同カンファレンス」が東京で開かれる。

 

・    2011年12月1日、超党派の国会議員による「こころの健康推進議員連盟」が発足した。

 

関連する情報:

http://ikiru.ncnp.go.jp/ikiru-hp/pdf/20110921.pdf

http://www.aamh.edu.au/news_articles/japan-australia_partnership_strengthens_in_community_mental_health

http://www.aamh.edu.au/news_articles/international_seminar_in_community_mental_health_development

http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/overseas_au.html

http://www.jfnm.or.jp/kokoro/h18/kenha-m18/m18nakane.pdf

http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/pdf/japancommunityreport.pdf


公表されている情報から、一連の動きをたどってみました。

その中で見えてきたことがあります。WHO、WPA、アンチスティグマキャンペーンという世界的な影響力のあるメンタルヘルスキャンペーンが展開される中、オーストラリアのメルボルン大学がアジアを攻略する拠点となり、その精神保健モデル(早期介入、マインドマターズ、ビヨンドザブルー)をアジアに広げるため、日本が第一のターゲットになっているということがわかります。

もしもそれが本当に日本人のメンタルヘルスを向上させるものであれば、私は何も文句を言いません。しかし、彼らがしていることは、本当は何ら正しい診断などできない精神医学をいかにも科学であるかのように見せかけ、早期受診が医療福祉関連予算の大幅削減に寄与するという嘘をばらまき、見事に政府から予算を取り付け、おそるべき地域精神保健のネットワークを構築するというものです。

日本における「こころの健康基本法」の制定とは、その予算拡充が目的です。こうして、効果がないどころか有害ですらある自殺対策(=うつ病受診キャンペーン)が展開されたのと全く同じ構図で、現代版魔女狩りでしかない危険な地域精神保健システムが日本に、そしてアジアに広げられようとしているのです。

精神科医が一旦診断を下すと、患者は強制的な医療システム(保安システム)に引き込まれ、自由と権利が剥奪されます。精神科医の許可がないと登校できず、引き裂かれた子どもと会えず、親に会えず、復職できず、退院できず、結婚や出産もできず、社会に出られず・・・

その精神科医の判断が科学的根拠を持つのであれば、そのような制限も納得できるかもしれません。しかし、精神科医の診断などあてになりません(精神科医自身が認めています)。今話題の香山某先生を見て下さい。精神科医という肩書きと権威を使って今まで散々社会批判、政治批判、個人攻撃をしておきながら、橋下氏に代案を示せと言われると「精神科医である私にそんなことができるはずもないし、その権利もありません。」と簡単に言い放てるのです。
http://diamond.jp/articles/-/15901?page=

香山某氏は極端にしても、精神科医は自分たちの診断や言動に責任を持っていません。少なくとも、精神疾患という診断がどれだけその人の人生を左右するのかを本当に理解しているとしたら、除外診断もなしに簡単に病名をつけたり、考えもなしに侵襲度の高い向精神薬治療から始めたりすることはありません。

精神科医は絶対的な権力を持っています。その診立てや治療の誤りを外部の人が指摘しようものなら、自分は専門家だと主張するだけで、医学的根拠を示すこともありません。まさにこれは魔女狩りであり、天動説に異を唱える科学者を迫害する構図そのものです。

魔女狩り(スクリーニングや早期介入)と拷問(薬漬け)のはびこる世界に日本をしたいのであれば、どうぞこころの健康基本法の制定に向けてせいぜい頑張って下さい。後になって「騙されていた」と後悔しても知ったことではありません。騙されていたとはいえ、推進に協力した人の責任が消えるわけではありません。

もちろん、私はそんな世界などまっぴらですので、全力で抵抗しますよ。