『立憲君主 昭和天皇〈上・下〉』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


『立憲君主 昭和天皇〈上・下〉』

川瀬 弘至、産経NF文庫、2020年




日本人の不動の精神的支柱である皇室。2000年にわたり受け継がれてきた究極の「安全保障」とする著者により、数多くの歴史資料から昭和天皇を解き明かします。
いやー、一つ一つのテーマも一次資料からの引用がふんだんに盛り込まれていて、相当に詳しい内容です。決定版ですね!


明治34年(1901)4月29日。皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)の第一男子(裕仁親王)として御誕生あそばされました。明治時代まで親王は、臣下の家で養育される習わしでしたので裕仁親王も親元を離れ養育を受けます。
お生まれになる前から本書は始まっているので、大正天皇についてもよく書かれていますよ。


裕仁親王の学習院初等科の時代には、あの乃木希典から帝王学を施されました。ここでは質素倹約や質実剛健さも乃木からガッツリ学ばれたようです。そして、この当時から体力・知力のほかに観察力や記憶力も相当に伸びていたようです。


昭和時代も激動の時代でしたね。
昭和恐慌、三月事件、満州事変、国際連盟脱退に象徴される国際社会からの孤立の道、二・二六事件、五・一五事件、支那事変、大東亜戦争、宮城事件…etc.
なんか、だいたい陸軍が暴走してやらかしているイメージですね…。大東亜戦争だって何だって陛下の御意みこころを受け止めずに勝手にドンパチやって、政治家もグダグダで、でもって最終的には陛下が自分の責任だと言われ臣下はおんぶに抱っこ状態。


この「おんぶに抱っこ」は今でもそうなんでしょうね。今の日本の現状で玉音放送なりが必要なんだったら、毎年のインフルエンザ流行の度に玉音放送いただかなければならなくなりますよ笑
9/24現在で現在感染者5,634人、死者1,536人、退院者73,427人、累計感染者80,597人ですけど、検査機器の性能が上がり過ぎてることと検査数自体がめっちゃ増えてることに加えて、PCR検査陽性=感染では必ずしもないことはよく言われてるし、この「感染者数」もどこまで正確なんですかね…?


まぁ話を戻しまして、特に戦後は陛下にとっても命がけの戦いでしたね。共産主義者たちの抗議活動やテロ紛いのこともちょくちょくあり、外国でも日本をよく思わない人たちもいるわけで。
それでも怯むことなく絆を繋ぎ止めていただき、国民同士や世界各国とも分断されずに今があります。皇室は国民に対して、我が身を投げ打って命がけで向かい合ってくださるからこそ、絆が深くなっていくのですね。ただただ感謝しかありません。