えにーの読書感想文

えにーの読書感想文

読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『身代わり』
西澤 保彦、幻冬舎文庫、2012年



「判ってる、我々はどうしても、ひとの死に意味を見出したがる。それも絶対的、普遍的な意味をね。しかしちょっと考えれば判ることだが、意味なんて相対的なものにすぎない。それに対してむりやり絶対性を求める作業は、不可避的に己れの意識を虚無に向かわせる結果にしかならない」


夜の公園で女性に馬乗りになっていた男が、包丁が腹部に刺さって死んでしまう。しかも、死んだ男は直前まで、辺見 祐輔が主催した飲み会に参加していたのだった。

その数日後には、女子高校生が自宅で殺害される。さらに現場では匠 千暁の高校時代の同級生だった警官の他殺体も発見されたのだ。


飲み会会場から遥か遠くの公園まで、手ぶらでわざわざ出向いて死んだ男。ポルノ紛いの小説を書き妊娠もしていた女子高生と、彼女の死後3〜5時間をおいて同一犯によって殺害された警官。


無関係に思えた2つの怪事件が、匠 千暁、高瀬 千帆、辺見 祐輔らの推理によって悪意と勘違いでもつれた糸が解けていく。



   



タックたちのシリーズです。


手ぶらで現場に向かったはずなのにジョギング中の女性に馬乗りになった挙句、包丁が刺さって死んだ男。その包丁は女性がもっていたものなのか?ジョギングをしていた風の女性が、小ぶりなナイフでもなく包丁をもっていた?その女性は正体不明。
自宅で殺害された女子高生から3〜5時間遅く同じ家で殺害された警官。犯人は長時間現場に留まっていたのか?しかも警官がその家を訪問したのはたまたまだったのに。

といった具合に、けっこう不可解な点が多い2つの事件です。しばらく精神的にも不調が続いていたタックですが、高校時代の同級生の死を推理することで復活の兆しが見えますね。そんな彼に寄り添うタカチ。周囲からはカップルというより、もっと深い繋がりに見えたりしているようです。